お盆の東京行きの計画をたてるとき、女房は最後まで「がっちりマンデー!!」に出ていた「成城石井のワインバー」に行きたいと言っていた。
娘に、「中学生をワインバーに連れて行く気か」といわれておさまった。

そのワインバーは、スーパーマーケット成城石井の、麻布十番店の2階にあって、飲食店としての利益よりも、下の店の商品のPR重視、「気に入ったおつまみを、下の店で買ってほしい」というコンセプトだという。
家族で都会に出ての食事は、楽しみでもあり頭の痛いところでもある。どうせなら、田舎であまり食べられないものを、さほどの負担でもなく楽しんできたい、という気持ちはよくわかる。

初日の夕食は結局、美術館のカフェと、あとはなりゆき、ガード下で丼ものでも、といっていたのだが、ホテルの最寄り駅の地下に、その成城石井を発見。
カフェを早々に切り上げて、酒とツマミを買い込んで、ホテルの部屋で2次会をしようということになった。

スーパーといいながら、スケールも品揃えのジャンルもコンビニのようなその店に入って、棚のあれこれを物色して、高級品ぞろいなのに驚いた。
昔から「明治屋」や「紀伊國屋」のような「高級スーパー」があるのは知っていたが、それが網の目のように、ちょっとした駅にはある、という時代になっていたのだ。

もちろん並んだ品々はいずれも、高級食材、手作り、ブランド品など、高価になる理由もちゃんとしていて、本当に美味しそうではあったのだけれど、予算の都合で厳選して購入した。

いささか、「和洋」に混乱がある。

成城石井

そういえば、たまに入る都会のコンビニは、砺波と違って何やらわびしい感じがする。仕方なくそこで必要なものを調達する、という殺伐さというと失礼だろうが。
成城石井には美味しいものを探す、「ショッピングの楽しさ」があふれていた。

カネも持たずに、都会の楽しさを味わおうなどというのが、そもそも間違いの元なのだろう。

コンビニと成城石井、店に入る人の意識がすでに違う。食生活が違う。
もはや、都会にいるのは、大多数の貧乏人と少しの金持ち、ではないのだろう。
そもそも、金持ちは街を歩いてなどいない。
貧乏大衆とぼちぼち大衆が、同じように歩いているのだ。
東京は完全に「格差社会」に突入した。