地球儀
今でも売っているのか知らないが、10年近く前に、ダイソーで買った地球儀である。
税込み105円だった。直径約10センチ、ご丁寧に、1:120,000,000(1億2千万分の1)という縮尺まで書いてある。

私が紺色のマジックで書き込んだのは、「プレート」の境である。
私らが子どものころ、プレートテクトニクスというのはまだ一つの学説でしかなくて、ちゃんと習ったのは大学の一般教養でだった。

地球は大小12枚の岩盤(プレート)に覆われていて、その上の僅かな水や空気に頼って、生命は続いている。
日本列島は、太平洋・北アメリカ・ユーラシア・フィリピンという大小4つのプレートのぶつかりあうところにできた、地球の「しわ」に過ぎない。

すでに日本人の常識といっていいだろうが、実感としてはどうだろうか。
これが、地球儀に書き込むとよく分かる。
この、頼りないような真実を「実感」させるのが、本当の教育だろうと思う。
100円やそこらの教材で、小学校の一コマ、40分でできることだ。


「クォーク」というものの存在を教えてもらったのも大学の一般教養だった。
素粒子の概念の変わる理論を、巨大な実験装置で「実証」するというCERNという組織があることも知り、
その後www(ワールドワイドウェブ)やhtmlというアイディアが、そこから生まれたことも感慨深い。

後に教養部長となった哲学の関教授の、ハイデガーの講義も思い出深い。
ただひたすら、教授の言うことを書き取らせる、という授業だった。
ノートではなく、教科書を書かせたということだろう。学ぶことの根本ということもシンプルに提示していたのだと思う。

教育は第一義に、教養を深め、人生を豊かにするべきものだ。
その次に、生きる手段を学ぶ、職業教育という側面があって、
さらに職業階層としてのエリートを選別するための競争、受験があったのだと思う。

学歴が、エリート就職の手段である時代はとっくに終わったと思っているが、
それに代わるシステムがない以上、大学ぐらいは行かせてやりたいと親は思う。

そこにつけこんだ、高い学費、受験産業、意図不明で重箱の隅をつつくような教育内容を、私は憎んでいる。

さて。

民主党の若い国会議員、小川淳也氏の「日本改革原案」を読み終えた。
楽天的な思い込みではないか、と思う部分もあるが、労作でもあるし、
何より、2050年とか、世界から見て、とか、視点が大きいのが気に入った。

教育の完全無料化、ベーシックインカムなど、私の主張と合致する点も多い。
大学卒業までに、全員国費で海外留学、というアイディアもおもしろい。

少しづつ、この本の紹介もしていこうと思う。
日本改革原案 2050年 成熟国家への道/光文社
¥1,512
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追記:
7月8日、「生涯現役(「日本改革原案」より)」をアップしました。
7月10日、「列島改革(「日本改革原案」より)」をアップしました。
7月12日、「環境革命(「日本改革原案」より)」をアップしました。
7月14日、「国を整え世界を変える(「日本改革原案」より)」をアップしました。