(前編から続く)前編はこちら
4.教育改革~世界水準の教育復活へ~
【理念・実現のための大きな枠組み】
・自立する国家、自立する地域を担う自立する個人を育てる
・基礎学力を底上げしグローバル人材を育成
・格差を世代間で固定化させないために、世界最高水準の教育を限りなく無償で提供する
・あしき平等・画一主義から脱却し、理解ができない子どもには徹底的にサポートし、理解できる子どもはぐんぐん伸ばす、個人の能力を真に伸ばす教育ヘ
・教育行政機関主導から生徒・保護者主導へ
【基本方針】
・文科省を頂点とするピラミッド型教育行政から地方分権型教育行政へ
・教育委員会制度の廃止(首長に権限と責任を持たせ、第三者機関で監視)、教育行政制度について自治体の選択制
・生徒・保護者による公公間、公私間学校選択の保障
・選択のための学校情報開示の徹底
・公立学校長の権限の拡大・強化、校長公募など、学校マネジメントの確立
・学校を、学長・校長を長とする普通の組織にする
・国立大学長の権限拡大・強化、大学マネジメントの確立
・世界標準の英語教育と海外留学支援、最先端を行くICT教育環境
・教育バウチャー(クーポン)制度の導入=教育機会を拡大するとともに教育機関の切磋琢磨を促す
・校長・教頭等の人材確保のための適正な給与、教諭の定期昇給は一定在職年数まで
・教員を雑務から解放し教育に専念させる
・教員は幅広い学部出身者と社会人から実力重視で採用
・障害者教育の充実
・大学入試改革を通じた教育改革
・高度人材養成機関としての大学院の質向上と選抜性強化
・大阪府・市の教育関連条例をさらに発展、法制化
・教職員労働組合の活動の総点検
5.社会保障制度改革~真の弱者支援に徹し持続可能な制度へ~
【理念・実現のための大きな枠組み】
・真の弱者を徹底的に支援
・自立する個人を増やすことにより支える側を増やす
・個人のチャレンジを促進し、切磋琢磨をサポートする社会保障
・若年層を含む現役世代を活性化させる社会保障
・負の所得税(努力に応じた所得)・ベーシックインカム(最低生活保障)的な考え方を導入=課税後所得の一定額を最低生活保障とみなす=この部分は新たな財源による給付ではない
・持続可能な制度
・世代間・世代内不公平の解消
・受益と負担の明確化
・供給サイドヘの税投入よりも受益サイドヘの直接の税投入を重視(社会保障のバウチャー化)
→供給サイドを切磋琢磨させ社会保障の充実を通じて新規事業・雇用を創出
【基本方針】
・自助、共助、公助の役割分担を明確化
・社会保障給付費の合理化・効率化
・(給付費の効率化には限界があるので)高負担社会に備え積立方式を導入
・生活保護世帯と低所得世帯の不公平の是正
・(1)努力に応じた、(2)現物支給中心の、最低生活保障制度を創設
・所得と資産の合算で最低生活保障
・所得と資産のある個人への社会保障給付制限
・(受益と負担の関係を明らかにするため)提供サービスをフルコストで計算
・社会保険への過度な税投入を是正、保険料の減免で対応
[年金]
・年金一元化、賦課方式から積み立て方式(+過去債務清算)に長期的に移行
・年金清算事業団方式による過去債務整理
・高齢者はフローの所得と資産でまずは生活維持(自助)
・国民総背番号制で所得・資産(フロー・ストック)を完全把握
・歳入庁の創設
[生活保護]
・高齢者・障害者サポートと現役世代サポートの区分け
・現物支給中心の生活保護費
・支給基準の見直し
・現役世代は就労支援を含む自立支援策の実践の義務化
・有期制(一定期間で再審査)
・医療扶助の自己負担制の導入
・被保護者を担当する登録医制度
・受給認定は国の責任で
[医療保険・介護保険]
・医療保険の一元化
・公的保険の範囲を見直し混合診療を完全解禁
・高コスト体質、補助金依存体質の改善
・公的医療保険給付の重症患者への重点化(軽症患者の自己負担増)
6.経済政策・雇用政策・税制~未来への希望の再構築~
~経済政策~
【理念、基本方針】
・実経済政策・金融政策(マクロ経済政策)・社会保障改革・財政再建策のパッケージ
・実経済政策は競争力強化
・国・自治体・都市の競争力強化
・競争力を重視する自由経済
・競争力強化のためのインフラ整備
・産業の淘汰を真正面から受け止める産業構造の転換
・グローバル化する知識経済に適応できる産業構造への転換
・自由貿易圏の拡大
・国民利益のために既得権益と闘う成長戦略(成長を阻害する要因を徹底して取り除く)
・イノベーション促進のための徹底した規制改革
・付加価値創出による内需連関
・供給サイドの競争力強化による質的向上=額(量)だけでなく質の需給ギャップも埋める
・新エネルギー政策を含めた成熟した先進国経済モデルの構築
・TPP参加、FTA拡大
・為替レートに左右されない産業構造
・貿易収支の黒字重視一辺倒から所得収支、サービス収支の黒字化重視戦略
・高付加価値製造業の国内拠点化
・先進国をリードする脱原発依存体制の構築
~雇用政策~
【理念、基本方針】
・民民、官民人材の流動化の強化徹底した就労支援と解雇規制の緩和を含む労働市場の流動化(衰退産業から成長産業への人材移動を支援)
・ニーズのない雇用を税で無理やり創出しない
・社会保障のバウチャー化を通じた新規事業・雇用の創出(再掲)
・国内サービス産業の拡大(=ボリュームゾーンの雇用拡大)
・正規雇用、非正規雇用の格差是正(=同一労働同一賃金の実現、非正規雇用の雇用保護、社会保障強化)
・新規学卒者一括採用と中途採用の区分撤廃の奨励
・グローバル人材の育成
・外国人人材、女性労働力(→保育政策の充実へ)の活用
・ワークライフバランスの実現
~税制~
【理念、基本方針】
・簡素、公平、中立から簡素、公平、活力の税制へ
・少子高齢化に対応→フロー課税だけでなく資産課税も重視
・フローを制約しない税制(官がお金を集めて使うより民間でお金を回す仕組み)
・グローバル経済に対応
・成長のための税制、消費、投資を促す税制
・受益(総支出)と負担(総収入)のバランス
・負の所得税・ベーシックインカム的な考え方を導入(再掲)
・超簡素な税制=フラットタックス化
・所得課税、消費課税、資産課税のバランス
7.外交・防衛~主権・平和・国益を守る万全の備えを~
【理念、実現のための大きな枠組み】
・世界の平和と繁栄に貢献する外交政策
・日本の主権と領土を自力で守る防衛力と政策の整備
・日米同盟を基軸とし、自由と民主主義を守る国々との連携を強化
・日本の生存に必要な資源を国際協調の下に確保
【基本方針】
・日本全体で沖縄負担の軽減を図るさらなるロードマップの作成
・国連PKOなどの国際平和活動への参加を強化
・自由で開かれた経済ネットワークの構築
・豪、韓国との関係強化
・平等互恵と法の支配を前提とする、中国、ロシアとの戦略的互恵関係の強化
・ロシアとの間で北方領土交渉を推進
・ODAの継続的低下に歯止めをかけ、積極的な対外支援策に転換
・外交安全保障の長期戦略を研究、立案、討議するための外交安全保障会議の創設
・学術や文化交流の積極化と人材育成、外国研究体制の拡充
・外国人への土地売却規制その他安全保障上の視点からの外国人規制
8.憲法改正~決定できる統治機構の本格的再構築~
・憲法改正発議要件(96条)を3分の2から2分の1に
・首相公選制(再掲)
・首相公選制と親和性のある議院制=参議院の廃止も視野に入れた抜本的改革・衆議院の優位性の強化(再掲)
・地方の条例制定権の自立(上書き権)(「基本法」の範囲内で条例制定)憲法94条の改正
・憲法9条を変えるか否かの国民投票
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個人的な疑問点
1.地方分権には大賛成だが、首相公選制(なぜ大統領制といわないのか?議院内閣制だから首相なので、公選なら大統領だろう)や、道州制がセットになっていることの意味がわからない。「大阪都」だけなら法律の改正で充分だが、最後の章にあるように、首相の公選や参議院の廃止などは憲法の改正が必要で、目的と手段の比重が逆転していないか。
2.行財政と公務員制度の改革は全面的に賛成。名古屋の河村市長のいうように、役所は会社で言えば「総務」部門で、全体の効率化のために、総務部門のスリム化は避けられないと思う。
3.教育改革の半ば、教員に関する事案は、公務員制度の改革の一部であろうと思う。基礎教育と高等教育を分離し、基礎教育は多様で地域に密着したものに、高等教育はどの時点からでも専門的な教育が無料で学べるものにすべきだと思う。
4.社会保障を、制度やカネなどの「しくみ」に頼りすぎていないか。共に生きる人がいることが、弱者への何よりの支援であるのに。
5.経済政策はほとんど思考停止状態。競争力をつけるといいながら、単に競争を激化しようとしているだけ。外交防衛も、日米同盟重視でどうして「自立する国家」ができるのか。高らかに理想像を描きながら、具体策が前例踏襲でしかないように思う。
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