・始めに(槇内様宅にてインタビュー)
今回は学園東町にお住いの槇内様にインタビューをしてきました。槇内様は「筝」の師範として、様々なイベントなどでも演奏を披露されている方です。今回のインタビューでは、「箏」を始められた経緯から現在に至るまでの貴重なお話を沢山語っていただきました。槇内様のご自宅でのインタビューでしたので、13絃及び17絃と2種類の「筝」に接することも出来、「箏」という楽器の奥深さを知るきっかけにもなりました。
・「箏」との出会い
高校ではギターを弾いていたそうですが、看護学校で出会った方の中に寮で「筝」を弾いていた先輩がおられ、その音色に魅かれたというのが槇内様を「筝」の世界へと誘ったそうです。初めて「筝」の音色を聴いた時から、すっかり虜になってしまったそう。結婚や育児のためのブランクはあったものの、以来ずっと「箏」に情熱を捧げていらっしゃ
って今でも毎日練習を欠かさないそうです。
・小学校での「箏」の教室
槇内様は以前11年間ほど月に2度ある小学校の伝統文化教室で「箏」を教えていらっしゃいました。その小学校では熱心な音楽の先生もおられて、文化祭では「桜」などの演奏もされたそうです。
小学生が相手となるため、選曲も古いものばかりにならないように気を配ったり、若い世代にもなじみのある曲を使ったりと様々な工夫をされたようです。中には小学校の間ずっと、6年間「箏」を習った教え子さんもいるようで、「長く続けた子は非常に上手くなりました」と仰っていました。しかし、せっかく伝統文化を小学校で教えても、中学校から始まる部活などの影響を受けて「箏」を止めてしまう子どもが多かったそうで、このことを非常に残念に感じてもいらっしゃいました。
・コロナ禍で
そんな中、令和2年年初から世間をニュースで騒がせ始めた新型コロナウイルス。その猛威は当然のごとく「箏」の活動にも影響を及ぼしたそうです。様々なイベントや交流の機会が中止になるなど、演奏の機会が大きく制限された中、ようやく今年に入り西神中央ホールで「箏」と「尺八」が音色を奏でる「かぎろいコンサート」が開催出来たりと徐々にコロナ前の活動が出来るようになってきたことを、本当に嬉しそうに語られていました。
神戸外大や看護大も出演されていた学園音楽祭の復活も心待ちにされています。
・振り返れば
「箏」を続けてこられた理由は、音色に魅せられたことは勿論ですが、人生に重ね合わせておられる点も多分にあると思いました。「箏」は皆で演奏すればチームワークも必要になること、演奏技術の向上に近道はなく毎日コツコツと練習を重ねていくこと、の2点を強調されていました。
今後も、ジャンルは古典から現代音楽まで新しい曲を中心に練習していこうとされています。
・最後に
インタビューを通して槇内さんはもっと「箏」を広めたいとおっしゃっていました。特に若い世代の奏者が少ないらしく、比較的年齢層の上の方が多い現状では伝統音楽の10年後、20年後が非常に奏者の少ない状況になると心配をされていたのが印象に残っています。
今回のインタビューは槇内様のご自宅兼稽古場で行ったのですが、「箏」がいくつかあり、13絃と17絃では音色も違いますが、夫々素敵な音色でした。素人の私達が聞いてもその違いはわかりました。
邦楽に興味のある方は何でも聞いて下さいと仰っています。
興味を持たれた方は下記まで。
槇内様宅 078-791-3166