冬至も過ぎ、いよいよ冬本番となってまいりましたね。寒さが厳しくなる中、お家で過ごす時間も増えたのではないでしょうか。今回はそんな季節にぴったりな水彩画のお話です。岩本さんにお話を伺って参りました。
- きっかけは飲みの席
水彩画と聞くと、デッサンに色付けに、何だか難しいイメージがあります。ところが、岩本さんが水彩画を始められたきっかけは、共通の友人を通しての飲み会でした。のちに一緒にいた男性が水彩画の先生だということが分かり、お酒の大好きな岩本さんは酔った勢いで「教室に参加します。」と答えてしまっていたとのこと。それにしても凄いのは、その場の勢いに留まらずそれから10年間、「学園西町 四季彩会」と「坂本デッサンクラブ」へ月2回ほど通い続けていること。長年にわたる趣味が飲みの席で見つかるとは、ご本人も想像していなかったようです。
- 水彩画教室
「学園西町 四季彩会」と「坂本デッサンクラブ」へ通われている岩本さんですが、毎回違ったテーマが先生から出されるそうです。例えば12月は「雪景色」。月によっては静物画、風景画、人物画など色々なテーマがあります。習い始めの頃は「空」「海」「木」「建物」「花」といったものの描き方を習ったそうで、今でも構図を決めるのが一番難しいと語ります。作品を仕上げるまでの普段の流れは、教室で3時間ほど絵を描いたあと家に持ち帰り、さらに1、2時間かけて仕上げ、その後教室に完成した絵を持って行き、先生から手直しをしてもらいます。こうして講評や手直しをしてもらえるのも、教室に通うことの醍醐味ですね。岩本さんに教室のお話を伺う中で一番驚いたのは、先生がその場で一から見本を描くこと。今はネットで調べればすぐに解説動画や写真を見つけることが出来ますが、最初から最後まで目の前で描く所を見られるなんて貴重な機会ですよね。いつかお邪魔したいものです。
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岩本さんの作品たち
「孤高のペンギン」
10年以上水彩画を続けられてきた岩本さん。なかでもお気に入りの作品が「孤高のペンギン」、「三地蔵」、「雪景色」だそうです。「孤高のペンギン」は初めて人に進呈したという思い出のある作品、「三地蔵」は大勢の人に心が癒されると言ってもらった作品、「雪景色」は1番最近の作品で、雪を上手く描けたと嬉しそうに紹介してくださいました。そして、今描きたい絵は「学園都市の様々な風景」と「孫」。住み慣れた地元の景色を絵に残したいと語る姿、そして毎年1枚は孫の似顔絵を描いているというお話から、岩本さんの温かいお人柄が伝わってきますね。
- 水彩画を始めたい方へ
ここまで読んでいただいて、水彩画に興味を持たれた方もいるのではないでしょうか。ということで、岩本さんに一体どうやって、どこから、何を始めればよいのかお聞きしました。
鉛筆デッサン（モノを見る練習、光と影）→色づけ（水をたっぷりと使ってグラデーション）
岩本さん： 水彩画を始める場合、まず鉛筆デッサンからスタートします。絵は結局「光と影」なんです。それを鉛筆で描き上げることから始めます。スプーン、刷毛、自分の手のひら、くしゃくしゃに丸めた新聞紙などを鉛筆で描きます。ですから最初の画材は画用紙、鉛筆（HB、B、２B、３Bくらいあれば良いと思います）、練り消し、擦筆（さっぴつ※）を揃えます。これは安価ですからすぐ揃えられます。見たままを描く練習です。ポイントは、新聞紙…文字まで細かく描くこと、光と影…光は練り消しや擦筆で表現すること、といった点でしょうか。色づけをする際は、水で色を伸ばしてグラデーションをつくることを意識します。絵の具、パレット、筆、水差し、イーゼル（画架）、タオル、ティッシュ、画板、画用紙などが必要になってきますが、これらは鉛筆デッサンに比べると高値ですね。おすすめの本は、日本の色図鑑です。
※紙や革、フェルトなどを鉛筆状に丸めた画材で、鉛筆で書いた線をぼかしたり馴染ませたりして使います。
さて、今回は水彩画をされている岩本さんにお話を伺って参りました。「水彩画」と聞くと、1人で黙々と作業をする姿が思い浮かびますが、絵が人との出会いのきっかけになったり、繋がりを強めたり、広げたり…。実は心温まる思い出を増やすきっかけになるものだと気付きました。また作品を観ていると、筆のタッチや色使いから岩本さんの温かいお人柄が伝わってくるようで、描いた人の姿が思い浮かぶのも絵の面白さですね。
次回の交換日記もお楽しみに！