去年の11月下旬、地元のテレビ局の候補者討論会で、「新型コロナについて。そろそろ、2類から5類への移行を議論すべきである。国に先行して、地方からそういう声を上げるべきではないか」と発言させて頂いた。当時、第八波の大きな波も来ておらず、中国の感染状況も不明であった。仮に、第八波が来たとしても、オミクロン株の重症化率や致死率を考えると、5類への段階的移行は可能と考えていた。

 

 現在、政府では、新型コロナウィルスの感染症法上の位置づけを、原則として、現在の「2類相当」から、季節性インフルエンザと同等の「5類相当」へ引き下げる方向で検討がなされている。今後、専門家の意見を聞き、決定の方向である。引き下げる時期は春を目途であるらしい。平時に向けた大きな転換点である。

 

 5類に引き下げられるとどうなるか→

 ・診療や入院患者の受け入れが、コロナ指定医療機関に限らず、一般の医療機関でも可能になる。

 ・感染者や濃厚接触者に対する自宅待機。原則7日間、濃厚接触者原則5日間の待機が無くなる。

 ・行政による入院勧告、行動制限、緊急事態宣言の発令等も出来なくなる。強制入院、自宅療養、外出自粛、就業制限等が出来なくなる。

 ・屋外だけでなく、屋内でもマスクは原則不要(症状のある人以外)になる。

 ・医療費を公費で負担して来た法的根拠が無くなる。現在、全額公費で負担されている入院や検査の費用が自己負担になる。その事によって、受診控えや報告漏れ等が起こる可能性がある。それは、感染拡大に繋がる可能性がある。

 

 何故このタイミングだったのか→

 ・軽症者が多い点を踏まえ、類型を見直す時期に来ている。国民・自治体・企業等が流石に疲弊している。

 ・財政的にこれ以上の財政負担は厳しい。今後、防衛費や子ども関連予算の財政負担も出て来る。

 ・水際対策の世界標準化。景気経済への影響を考慮。

 ・医療提供体制の逼迫を回避する。一部病院に患者が殺到する。発熱外来で対応しきれず、救急車の要請が増える。救急搬送困難事案多発。

 ・医療提供体制を維持しつつ、社会経済活動を回復させたい。社会経済活動の正常化に道筋を付けて政権浮揚を図る。しかし、今後、感染拡大すれば、返って批判される可能性はある。

 ・オミクロン株は重症化率や致死率が低い(インフルエンザ並み)。ワクチン接種が順調に進んだ?

 ・去年の臨時国会で審議された改正感染症法。「新型コロナの位置づけの見直しを速やかに検討すること」を付帯決議に明記された。

 ・自治体や学校等の対応を考えれば、年度替わりが望ましい。入学式・卒業式にノーマスクで出席させたい。

 ・5月のG7サミット迄は、規制緩和(世界標準)をしておきたい。

 ・後手後手批判を浴びた前政権の轍は踏みたくない。

 

 今後の課題→

 ・コロナを受け入れる医療機関が増えるかどうか。実際は、感染対策面から、受け入れられない医療機関が多いのではないか。

 ・社会や国民との合意は得られるか。コロナから国民の命を守る事と社会経済活動を回すことの両立。国民に取って、安心できる医療提供体制を維持・拡充出来るのか。

 ・感染リスクの高い方々(高齢者や基礎疾患等のある方)の対策。高齢者施設や院内感染対策。

 ・オミクロンワクチン接種率4割程度。これをどうするか。

 ・コロナ重症患者と他の病気の患者の受け入れの分担化。

 ・ワクチン接種や治療薬等は当面、公費負担にして、段階的に保険診療へという検討がなされている

 ・入院調整等を今後どこが担っていくか。

 ・緩和によって、感染予防への個人の意識が下がる。感染が広がる可能性。

 ・新たな変異株や感染爆発にどう対応するか。等々。

 

 厚生労働省の感染症部会では→

 ・5類移行には肯定的意見が多数。勿論、時期尚早の意見もある。

 ・インフルと同様の対応が可能になるには、もう少し時間が掛かる。

 ・私権制限は社会経済に大きな影響を及ぼす。

 ・コロナに偏った医療体制を平準化すべき。

 ・新たな類型を作るべき。

 ・マスク着用(室内)は継続すべき。それなりのエビデンスがある。等々。