昨日で臨時議会が閉幕した。議会の終わり、議場で議長に感謝の花束を贈呈された。サプライズ企画でちょっとビックリした。勿論、前例は無いという。議会の方々には心から感謝を申し上げます。

 

 先日、地元のあるベテラン記者にこう言われた。

 「貴方(知事)は、議会で一度も寝なかった。ウトウトともしなかった。いつも真剣に議論に耳を傾けていた。私は、長年、議会を見てきているが、そういう知事は初めてだった」

 議会は僕にとって神聖な場でかつ議論のリングだと思っていた。リングで目を閉じれば、倒される。それは負けを意味する。


 思えば、議会には本当に沢山のご教示・教訓等を頂き、鍛え育てて頂いた。本当に勉強になった。今となっては心から感謝をしている。この教え・経験を今後に生かすことが、そのご厚意に報いるということだろう。


 今、地方議会と首長の関係が様々なところで取り沙汰されている。

 就任初期の頃、多くの県民の方々から「東国原知事が一人おればいい。議会はいらん」などと言うお声も多く頂戴した。

 最近の某新聞の世論調査では、「議会が十分な役割を果たしているか?」という問いに「果たしている」と答えた有権者は3割を切ったらしい。


 就任初期、議会に対して、政務調査費・議員定数・議員報酬等の改革を提案したことを懐かしく思い出す。

 しかし、あの時、多数派を形成するために議会と対立・対決という図式は選択しなかった。しようと思えば出来たが、敢えてしなかった。まだその環境・段階では無いと判断した。

 あの時、宮崎には、分断ではなく「県民総力戦」が必要だった。

 それが正しかったかどうかは分からない。それは、県民の皆様が判断されることであろう。

 

 政治は、様々な異なる意見と利害を調整しながら、合意を形成していくプロセスであると思っている。

 また、自治体の改革は、情報公開と住民参加を組み込み、多様な意見を調整する行為でもある。

 そこには、首長と議会と住民(民意)の三者参加による運営経営形態を堅持し、機能させる必要がある。

 

 今の二元代表制がベストであるかどうか?や地方自治法等も含め、今後の自治の在り方は十分な議論・検討がなされなければならない時に来ていると思う。

 地方分権(地方主権)化の中、地方自治は大きな曲がり角に来ている。

 僕がこの4年間ずっと主張して来た「分権国家の樹立」のために、様々な地方で模索・取り組みが始まっている。いい流れだと思う。

 これから、地方は、国政の混乱等に左右されない、自主自立の、独立したガバナンスと独自のマネジメントを成功させなければならない。

 その為に、今後、議会と首長と住民のプレゼンスは益々重要になって行き、その在り方・関わり方・仕組み等を大きく変えて行く必要があるだろう。


 全ては、「住民のために」「未来のために」である。