18日(月)、長い距離を走りたくなってロードに出た。久々に、自宅~恵比寿~南麻布~芝公園ルートをチョイスした。このコースは実に懐かしい。去年の夏、このコースを良く走っていた。心の中のBGMは勿論「涙そうそう」である。
芝公園から帰ろうとした国道15号線の交差点である男性に会った。その男性は、17日(日)つまりその日の前日、駒沢公園を走っていた男性だった。年の頃は35歳~40歳。17日(日)の夕方、僕は駒沢をJOGしていた。その男性はインターバルをやっていた。その時はさほど気には留めなかった。「あ~、インター頑張っている人がいるな~」くらいの軽い認識だった。
その男性と翌日ひょんな所で偶然会ったのだ。そんな偶然てあるだろうか? 昨日走っていた人と今日、全く違う場所で出くわす。そんな偶然である。これはもう必然といった方が適切かも知れない。彼と僕は必然的に会っているのだ。彼は上下ジャージにリュックを背負っていた。彼もさぞ驚いたことだろう。彼の方から声を掛けて来た。「東さんですよね。昨日、駒沢を走っておられませんでした?」
ここで会ったのが何かの縁。その後、彼と一緒に目黒辺りまで走った。その間いろいろ話をした。彼は御茶ノ水のとある会社に勤める会社員で、仕事の帰りはいつも走って帰るのだという。ウイークディはJOGで繋ぎ、週末はインターバルなどの練習をするらしい。先月の荒川フルに出場し、今年1月の谷川ハーフでは僕の直ぐ後ろを走っていたのだという。誠実な喋り方に人柄が滲み出ていた。
三田辺りから目黒までの約5kmがあっと言う間だった。1km4分30秒くらいのペース。通勤通学時の歩道を走るにはちょっと速目のペースだった。お陰で、ダラダラと走らずにすんだ。
「また、どこかでお会い出来るでしょう」そう言い合って、山手通りと目黒通りの交差点で別れた。交差点の向こうで手を振る彼を見て、「彼のような誠実な人生もいいな」と思った。
話に夢中になって結局芝から目黒までの距離を補足出来なかった。僕は、初めてのコースを走るときは自分が何km走ったか必ず走りながら補足して距離を測って置く。僕の補足には定評がある。3月に大磯を走ったとき、僕の補足が3kmの距離を計って、正しい距離と僅か数メートルしか誤差が無いことに、松ちゃんが大層驚いていた。駒沢の周回で鍛えた熟練の技である。
19日(火)東京駅から走って帰るとき、国道1号線から芝公園~三田~目黒経由で帰った。つまり前日のコースをそのまま走り距離を測ったのだ。芝公園~三田~目黒~代官山の歩道橋まで7432mだった。因みに、東京駅から芝公園地下鉄駅出口まで4230m。代官山の歩道橋から自宅まで2510mである。19日(火)、僕は計14,172m走ったことになる。18日はその計算で行くと、約23kmJOGしたことになる。因みに、19日(火)、偶然同じくらいの時間帯に同じコースを走ったが、彼に会うことは無かった。
僕は人生の中で後何回くらい偶然を体験するのだろう? きっと今後何回かは偶然を体験するのだろうが、今僕が遭遇したい偶然はたった一つだけである。もしその偶然が現実化したときは、それはきっと必然ということに違いない。