やっぱりというか、前にもこの日記で述べたように、残念ながら、どうやら抜本的構造改革は不可能の様を呈してきた。その一つ、特殊法人改革。なかでも、その急先鋒といえる日本道路公団の民営化問題。 管理運営だけを民営化し、建設は今まで通り国がやる・・・・・これじゃ実質上今までと全く変わらない。昨日、ニュースに宮崎県の延岡市長と県知事(道路族)が出演していて、「九州太平洋側の高速道路を計画通りに是非通して欲しい」と強く訴えていた。どうせ地元の一部の利益団体と癒着しているのだろうが・・・・・彼らに言わせると「日本中どこに住んでいても我が国の国民には、公共の利益と利便性が平等に分配されるべきである」つまり、延岡や一部の地域だけ高速が通っていないのは平等性に欠けるという論理である。重ねて、延岡に高速が開通すれば物流などが盛んになり地域経済ならびに産業が発展する見通しなんだそうである。一見まともで肯ける意見である。しかし、ちょっと待て!果たしてそうであろうか?・・・・・都城・宮崎間の高速道路が建設された時も動機・理由は確かそういう論旨だった。しかし、出来上がった後の実態はどうだろう? 高速道路を利用している車両は極めて少ない。採算が合わない。素人目にみても明らかな赤字である。 道路利用者は、高い料金を払って高速を利用するより、下の国道(269号線と10号線)を利用した方が安上がりなのだ。 それに田舎の国道は信号も、これといった渋滞も無いので、その所要時間に極端な差異は無い。せいぜい都城・宮崎間で15分~20分程度だろう。それくらいだったら無料の道路を利用した方が効率的なのだ。 それに、高速度道路が開通したからと言って、ことさら都城の産業・経済が目覚しく発展した事象は見当たらない。それどころか、若い人材が高速を利用して県外に流出するといった事態まで起きている。 高速道路は確かに新しい雇用を生む。しかし、その建設費と維持費は膨大なものだ。環境も壊す。その費用は全て国民・県民の税金である。一部の特定利用者のため、あるいは、高速道路関係の多くの特殊法人への天下り人事を維持するために国民は税金を払っているのだ。平等な恩恵など絵空事である。 第三者機関の厳格な需要予測もされないまま地元の一部ゼネコンや利益団体の既得権益を重視した政策はもう時代おくれ、如何なものであろうか? 道路の維持や建設のため、結局、国民の税金負担が増えるだけである。国の愚かな政策の尻拭い的国民負担はもうたくさんだ。ただでさえ国の借金はもう限界に来ている。このままだと本当にソビエトのように崩壊するだろう。先進国ではなくなるのだ。そのシナリオは決して机上の空論や脅かしではない。それにしても、特殊法人改革をめぐる省庁や族議員の抵抗ぶりは強固だ。改革に反対している議員を選んだのも、小泉ブームというわけのわから無い、実態のないムーブに躍らされた我々国民の責任であるのは自明である。どこかで覚醒しなければ、我々は永遠的に自分の首を自分で絞める愚考を繰り返すのだ。