著書『歯車』の中でそう言ったのは、確か、芥川龍之介だった。
 
 「地獄」それは、僕にとって永遠のテーゼだ。
 
 左足踝の怪我のお陰で、26日、27日と風呂に入れなかった。で、28日夜、左足にコンビ二袋を2重に履き、水が入らないように、踝の上の方を輪ゴムで縛ってシャワーを浴びた。
 洗い場に仰向けになり、左足だけ浴槽の縁に乗っけた。左足だけが身体より上がった状態である。顔は風呂場の天井を見ている。
 そのままシャワーを浴びた。左足首辺りに絶対に水がかからないように注意しながら、慎重にシャワーを身体全体に掛けた。
 
 2日間洗って無かったこともあり、シャワーがあんなに気持ち良いものだとは思わなかった。
 余りの気持ちよさに、背中をゴシゴシと力任せに擦っていたら、左肩が突然攣った。肩が引き攣ったのは人生で初めてで、強烈に羽交い絞めされてるみたいで、これは痛かった。しかし、仰向けなので、どうすることも出来ない。シャワーは顔目掛けて出っ放し。足や身体は動かすことが出来ない。
 これは、地獄だった。苦痛と水地獄。
 
 快感が反転、一瞬にして生き地獄と化した。
風呂場が阿鼻叫喚の図になった。独身なので、誰も助けを呼べない。このまま、一人孤独にシャワーで溺死するのかな~? と遠くなる意識の中で思った。
 
 それでも、必死に意識を取り戻し、最後の力を振り絞って、身体を半転させ、何とか自力でその地獄から脱出した。あの一部始終をビデオに撮っていたら、大爆笑だったと思う(笑)。実に惜しい!
 やっぱり、怪我なんてするもんじゃない! 怪我の功名なんて嘘っぱちだ。
 
 29日(水)。
 CX「幸せって何だっけ?」収録で、またまた細木さんに怒られ、説教された(笑)。(4月21日(金)20時~OA予定)
 
 終わって、部屋に帰り、恐る恐る包帯を取った。靴下を穿いたり脱いだりで、包帯がもう解けそうだった。
 幸い、傷口は乾いていた。でも、縫合し結んだ糸が4~5mmくらい出ているのだ。糸は結構硬く、これがズボンの裾や靴下に当たると、やたら痛い。
 
 今夜は、マキロンつけて、イソジン軟膏を塗って、傷口にくっ付かない広めのバンドエイドを貼ってみるつもりだ。
 
 しかし、1日の感謝祭は微妙だ。勿論、走るつもりだが、何かにぶつけたら、大出血だろうな~
 左足首血だらけで走っている感謝祭。そんな中年タレントがかつていただろうか?