先日、ラサール石井さんがプロデュースする「ラサール亭」という寄席を観た。僕にとっては凄く豪華なメンバーだった。まず、今は役者として活躍している「でんでん」さんが、往年のレイバンのサングラスとバーバリィのコート姿で、10数年振りにピンでネタを披露した。「よぉ、みんなハッピィかい? おいらのこと懐かしいだろう? おいら、自分で自分が懐かしいぜ! おいら、この二枚目の顔で、これまで何人の女を失神(湿疹)かぶれさせたか?………」懐かしいネタに感動もひとしお。それから、夢路いとし・喜味こいし師匠。漫才を120年やっているという師匠達に出演を依頼したのは2年前のことで、その時の返事が、「2年後、生きていたら快く出演しましょう」というものであったらしい。ご両人共80歳を過ぎた御ん歳である。舞台にヨタヨタと出てこられて、満員のお客さんの割れんばかりの拍手の風圧で、少しよろめいていらっしゃた。それでもベシャリは達者で、「僕んとこのサイ(妻)がね……へぇ~君んとこ、サイ(動物)飼うてんの?」で始まるあの「金魚売」のネタをたっぷり披露されて感動した。終わってソデまでのストロークを歩くのにかなりの時間がかかり、その次出番のなんちゃってやすし・きよし師匠がなかなか舞台に登場できないのには爆笑だった。トリは、ご存知太平サブローさんの横山やすし師匠と本物の西川きよし師匠の、いわゆる「やすきよ漫才」である。いや~これがまた凄かった。サブローさんにやすし師匠が完全に乗り移っているのだ。まさにイタコ状態! 全部で45分の漫才。爆笑に次ぐ爆笑でお客はヘトヘト。他に、春風亭昇太君やおぎやはぎ君等の若手も充実していて最高の会だった。