3日(土)高橋君と下北沢の駅前劇場に、早稲田の演劇団体『東京ティンティン』を観に行く。先日、法学の授業の前に、教室の前でわざわざ僕を待っててくれて、パンフをくれた学生がいて、そのパンフに「是非、観に来て欲しいです」と熱いメッセージが書かれてあった。今回の講演のタイトルは『駅前の教会』。聞く所によると20回以上の公演実績があり、今、早稲田では最も旬な劇団らしい。 最初の30分くらいは、駅前の小さな教会の神父(先代)が死んで息子の代になり、息子はその教会でほそぼそとアパートを経営しているのだが、駅前再開発に伴い、立ち退きを強制させられるという平凡で退屈な物語と思いきや、途中から何だか様子が違って来る。まず、役者のリアクションが、劇画チック・漫画チックになっていくのだ。決して上手いとは言えない演技だが、段々引きこまれて行く。あるシーンで、立ち退きを強請してきたヤクザ(大家の弟)がひょんなことからパンツを脱がされる。それが、何と、振るチンになるのだ。振るチンになると人格が豹変し、急にオカマチックになり逃げて行く。その後、教会に下宿していた学生が、ヤクザに襲われ素っ裸にされ縛られている、そのシーンでもその学生は振るチンになるのだ。最後、その教会(アパート)に下宿していたオルガンの上手な美女が、とある病気で死んでしまう。その美女を二人の天使が迎えに来る。この天使が、先に死んだ大家の父親と弟なのだが、この二人が何と素っ裸で振るチンなのだ。美女が障害を抱え、ついには死んでいく瞬間は悲しみの頂点に達するのだが、そこに、頭に天使の輪をつけた振るチンの二人の男なのだ。これは一体どういうことなんだ?と突っ込みたくなる。そのチンチンがまた情けなくぶらぶらしているのだ。笑っていいのか泣いていいのか? チンチンの情けなさを存分に、効果的に使った傑作的シーンであった。誠に不思議な感動である。こまごまとした台詞や演技がもう一つ雑でもったいない気もするのだが、もしかしたら、おお化けする可能性を秘めた劇団である。特に、役者の中に、室井滋化した役者がいて、その女性の演技は目を見張った。玄人裸足である。今直ぐに『渡る世間・・・・』にいれても通用するようなオバさん演技が良かった。うちで劇団やるときは是非スカウトしたい役者だと思った。---その後、高橋君と大森クンちゃん家の鍋パーティに行った。クンちゃんが前回やった芝居、シェークスピア作『真夏の夜の夢』(高平哲朗氏演出)に出演した事務所の若手が大勢集まっていた。 ワイワイガヤガヤ、実に楽しい宴だった。 別にらっきょに対抗している訳ではないが、昔から構想している劇団『日本の道徳』旗揚げの話をする。僕は個人的には軍団のメンバーでやりたかったのだが、事務所に何故か反対された経緯があった。・・・・・・・・話は変わり、本当に偶然であるが、4日(日)に近所の焼肉屋に家族で行くと、故松田優作一家に出くわした。松田美由紀さんはクンちゃんとはとても親しく、松田さんの娘さんもクンちゃんの娘さんと親しく、僕はクンちゃん家で一度会っている。「まぁ、偶然ですね」なんてお互い言い合っていたが、それにしても優作さんの息子さん(映画『ご法度』の)は、優作さんに生き写しだね・・・・・・今度、カラオケ行きましょうなんて言われ、優作ファンとしてはそこに優作さんがいなくても何となく照れてしまった。・・・・・・まぁ、そんなこんなで僕は相変わらず元気です。そうだ、村上君、月曜日の英語、またまた90点だったよ。