ここのところ、すっかりNHKの『映像の世紀』のビデオに嵌っている。本当に泣ける。映画『半落ち』や『ラストサムライ』もそれなりにいいのだろうが、やはりリアリティの迫力とダイナミズムには敵わないと思う。当たり前か! 加古隆氏の音楽も抜群だ。30日(金)も村上君と二人でずっと観ていた。驚いたのが、意外にも村上君が東京裁判マニアであることだった。A級戦犯16人の全ての人物の名前をスラスラと言えるのは、少なくとも僕の周りでは彼しかいない。これには本当に驚いた。ミーズーリー号上の全権大使などについても、ビデオを観ながら「東さん、ほらほらあの後ろの方に映っているのが重光葵で、その後方が、梅津よしひろで・・・・・・」といった調子。キーナン検察官、パール判事、ブレークニ―陸軍少佐等々、全て村上君の解説付きである。「重光の手記に、『ブレークニー舌鋒火を吹き、東条泣かしむ・・・・・』とあるんです。本当にあのブレークニーの演説は泣けます。『戦争での殺人は罪ではない。真珠湾のキッド提督の死を言うなら、広島に原爆を落とした人間の名を挙げなければなるまい』・・・・・どうですか? う~泣ける~」と本人、うるうるしている。まるでそこに実際立ち合ったみたいである。 聞くところによると、東京裁判のことを1986年前後、国会図書館にまで通って調べていたらしい。何で? 何の必要があって? てか、彼って一体何者(笑)? 
 でも、やっぱ、僕らオッサンなんだろうかな~(笑)? 本屋行って、『蹴りたい背中』を2P読んで、すぐ飽きた。というか、分からないのだ。文体がいいとか悪いとか、文学の地平を広げるものかどうか? 等については何とも言えない。だって、理解らないのだ。選考委員も解らないに決まっている。「へ~そうか~そんなもんなのか? へ~驚いたな~こんな感性があるんだ~?」きっとそれくらいのもんであるに違いない。文学に限らず芸術とは得てしてそういうもんだ。分からないのだ。僕は分かったふりはしない。はっきり分からないものは分からないという。作品が良いとか悪いとかも分からないのだ。勿論、シンパッシーも感じないし、嫌悪も持たない。ただ、分からないのだ。
 勿論、僕の周りにも20歳前後の学生はいる。でも、少なくとも僕と付き合っている彼らにも「蹴りたい背中」は分からないんじゃないかなと思う。だって、皆、感覚はオッサンなのだ。松栄君なんか、昨日家に来て、昭和21年生まれの野球選手をそらで並べていた。一体、どんな23歳なんだ(笑)? まるでオッサンである。であるから、僕らと話しが合う合う! いや、僕らより古いかも・・・・・・・・結局、本屋さんで買った本は中田君(横浜市長)の「成せばなる」という本。やっぱ、オッサンだな~(笑)? 大学生の芥川賞受賞より、青色発光ダイオードの200億の方に共鳴・驚愕する。やっぱ、オッサンだな~(笑)
 31日(土)は全日空ホテルで開催された昭和35年会のパーリィに出席。会場2000人近い大パーリィ。新極真カラテの緑代表と選手達の激励でステージに立つ。しかし、昭和35年会のメンバーは錚々たるメンバーである。僕より3つも年下なのに、皆、実にしっかりして社会的責任をきちんと果たしている。まるで僕自身が稚拙に思える。
 1日(日)、新宿のホテルパークハイアットにて、テレ朝のディレクター鈴木一克君の結婚式。昼間20km走をしてから式に行った。空きっ腹で飲んだので、僕にスピーチがまわって来た時には、既に大酔払い状態。厳かな式典の中で、「結婚生活には2つのホウレンソウが必要です。1つめのホウレンソウのホウは報告、レンは連絡、ソウは挿入です。あ、間違えました、相談でした・・・・・」とか、「2つめのホウレンソウのホウは包容、レンは恋愛、ソウは挿入!」などと繰り返していたらしい。新婦側が某大手都市銀行の方々で、僕が「大丈夫ですか? 公的資金の注入は? とか、自己資本率は1桁でしょう?」なんて突っ込んでたらしく、城西大学監督の平塚君や早稲田大コーチの渡辺君らに慌てて止められ、抱えられて降壇したらしい。会場は大爆笑だったらしいが、偉い恥をかいた。今日になってちょっと自己嫌悪である。
 そんなこんなで、何がそんなこんななのか分からないが、2日(月)は、卒論口述試験。19時10分、無事終了。これで早稲田大学第二文学部の全ての科目過程を終了。恐らく卒業できるであろう。いや間違い無い。後は、3月25日の卒業式を待つのみである。やった~! 万歳! 
 口述試験が終わってから、卒業記念文集の対談を今度卒業する学生達と2時間ほどやり、帰った。まずはやれやれ、自分に一言、「お疲れさん!」