正に携帯電話真っ盛りである。老若男女あらゆる人々の生活必需品になった感のある携帯電話。僕の通う早稲田大学でも、学生はほぼ全員と言っていいくらい携帯している。授業中も後ろの方でカチカチメールを打つ姿が目立つ。他人に迷惑の掛からない範囲であれば許せるが、さすがに静寂の中の「カチカチ」は耳に響く。先日さすがに注意した。その学生から携帯を取り上げ内容を見ると「隣にそのまんま東がいるぜ」と書いて誰かに送っていた。「君、授業中にこんなことは止めなさい」と注意していると、相手からレスが入った。そのレスが「それがどうした?」だった。内心ガックリ。授業中に着信音が時々鳴ることもある。第二文学部時代、学生もそうだったが、授業中何と先生の携帯電話が鳴ったこともあった。明治大学では、授業中余りに学生が携帯電話を利用しているのを逆手に取り、授業中の質問を携帯で受けるようにしたところ、質問が急激に増えたそうである。手を挙げて質問はできないが携帯だと質問し易いのだそうだ。世も末である。どこに行っても携帯に標準装備してあるカメラですぐさま写真が撮れる。タレントや有名人はたまったものじゃない。先日、大学の近くで火事があった。その現場を多くの学生達がカメラで撮影していた。ゴウゴウと燃え盛る炎に対して多くの学生が一斉に携帯電話を向けている姿にはただただ驚きである。先日佐世保で小6の児童が起こした痛ましい事件があった。あの時、死体をカメラ付携帯電話で撮影した児童がいたと報道されている。現場状況保存、その証拠写真という視点を鑑みても、この社会の携帯文化は空恐ろしい気がしてならない。