先日、現在小6の長男とテレビを観ていた。彼は動物番組が好きでよく観ている。番組の中で、ノスリというタカの一種の鳥を特集していた。ノスリの餌は主に野鼠や小鳥などである。ノスリはオスとメスで交代で卵を温め、かいがいしく子育てをしていた。ある時、巣の中の子供の一匹が、親から与えられた野鼠を食べようとして、足の爪を口に引っ掛けて取れなくなり、それが邪魔になって全く餌を飲み込めなくなった。そのまま長時間が経ち、その子ノスリは憔悴し、やがて瀕死の状態に陥った。もう助からないと思ったその時、親ノスリが巣に帰って来た。「あ、これで助かった!」と思いきや、何とその親ノスリは、、もう駄目だと思ったのか、子供をクチバシで突っつき、息の根を止めたのだ。そして、その肉をついばんで、他の子供達に分け与えたのだ。信じられなかった! 余りの衝撃に僕は思わず「わ~!」と叫んでしまった。すると、横にいた長男が一言「パパ、何驚いてんの? こんなの自然界では当たり前だよ!」と平然と言ってのけたのだ。彼の横顔はいたって冷静だった。彼は、親に似ず、どこか冷静な視点で物事を観察している。番組で、ナレーターが「しかし、我々は動物達に教えられることが一杯ですね!」なんて言うと、彼はすかさず「彼らに教えたいことも一杯あるけどね!」なんて返すのだ。昔、「開けポンキッキ!」を観ていた時の事。ガチャピンがスキューバーで海に潜り「へ~すごいや~ 海の中は珍しい生き物で一杯だね~」と何気に言った。すると、それを観ていた長男が一言「君が一番珍しいよ!」だって。 奴は、一体どんな大人になるんだろう?