我々の日常生活では、ちょっとした言葉の間違いや勘違いでとんでもないことになってしまう場合がある。先日、コンビニのレジでの出来事。僕の前にいた20歳くらいとおぼしき真面目そうな女子大生が、おでんを買った。ちょっとイケ面の男の店員君が、その女子大生に、突然「かれし、いますか?」と聞いたのだ。女子大生は、一瞬ポカンとした後、顔を真っ赤に赤らめ、うつむいてしまった。そして、蚊の鳴くような声で、「いえ、今は、いません」と答えたのだ。きっと、その女子大生は兼ねてからその店員君のことを気に入っていたのかもしれない。その店員君に「彼氏、いますか?」と聞かれたら、それはもう恋の告白である。今風に言うと、「こくる」というやつである。尚も、もじもじしている女子大生に、彼が、今度ははっきりとこう言ったのだ。「からし、いりますか?」何と、「からし、いりますか?」と「かれし、いますか?」を聞き間違えていたのだった。それが分かったとたん、彼女は、恥ずかしそうに、買ったおでんも持たず、コンビニを飛び出して行った。今時にしては、とても純情な娘さんだった。間違いや勘違いなんてどこにでもあるもので、先日ノーベル賞を受賞した島津製作所の田中耕一さんは、「受賞の瞬間、びっくりかと思いました」とコメントした。あれは、おそらく「どっきり」の間違いだろう。しかし、彼のその純朴さと朴訥さが世の中で大変好感を持たれている。他にも、サッカーのボランチを、ブランチと言ったニュースキャスターもいたし、飲み屋では、ホルモンのことを、モルモン、モルモンと言っているおやじさんもいた。まぁ、でもこういう間違いは楽しくていい。