丹後ウルトラマラソン60kmの部、6時間25分、18位、という結果。これはマネージャーの安原情報で、まだ正式な結果は出ていない。60kmの部、参加者は約300名。100kmの部が約800名。
 しかし、きついレースだった。強烈なアップダウンや風に加え、最初から気温30℃を超え、レースの最後まで炎天下だった。1km6分のペース(60km 6時間)で刻んだが、途中のエイドステーション等で1分~2分のタイムロス。最後50kmを過ぎてジリッジリッとペースが落ちていった。それで25分のオーバーとなった。
 自分では1km6分のペースを保っているつもりなのだが、10秒20秒と落ちていく。それだけペース維持能力が落ちて来たのだろう。55kmからの1kmは8分かかることもあった。
 しかし、山、海、田園、街と様々な景観が変わるコース取りは大変良かった。さすが坂本さんである。しかし、坂元さんは少々サドの気があると思った(笑)。それは、あのアップダウンである。60kmのコースでも、七竜峠は高低さ200数十メートルに及ぶ。4~5kmずっと急な登りである。まるで登山。それから急に下る。あれは後半足にくる。
 100kmに至っては、前半の50kmで七竜峠を二回往復する。その時点でヘロヘロであるのに、60kmを過ぎてから標高400m越す碇高原の登頂(?)に挑まされる。何と登りが13km以上も続くらしい。まさに狂気のさたである。
 しかし、丹後地方の住民の皆さんの沿道からの暖かい応援は本当に嬉しかったしエネルギーになった。後、エイドステーションのボランティアの皆さん達による暖かいケアー。これらが無かったら、とてもウルトラなんて走れなかっただろう。
 応援の中に、「そのまんま東、ええ顔しとるな~」という声があった。僕は苦しさで顔を歪めていたにも関わらず「ええ顔」なのである。これには感動した。「いい顔する」これがまさしく走りの本質に直結しているように思えたからである。そこには機械や道具を一切使わない行為、ただ「走る」という非文明的行為の根源的意味が包含されているような気がした。人間が本来持つ潜在的資源(資質)にのみ依存する「走り」。その行為から披瀝される感情の素直な肯定。そのものが「走り」に内包された最大の魅力なのかも知れない、とそんなことを考えながら、日本海を眼下にゴールに向けてひた走った。
 やはり、最後はえもいわれぬ深い感動が内心から湧き上がって来た。あの達成感と歓喜は、当然やったものでないとわからないものである。やっぱり最後まで諦めずに走って(最後まで遣り遂げる)良かったな~とつくづく思える瞬間である。まさに至福の瞬間。
 天国と地獄を同時に見るマラソン競技であるが、それが、またきっと走ろうと思う狂気に僕を強く誘う瞬間でもある。