玉田選手のあの一言に尽きるような気がする。
「あの前半の得点で、ブラジルを本気にさせてしまった・・・・・・」
 凄い一言である。この一言を聞いたとき、思わず鳥肌が立った。
 眠れる獅子を起こしたということである。眠れる獅子を起こすの、恐いだろうな~。こちらを睨まれ、「ガルルルル~~! ガオーッ!」とか吼えられるのである。そりゃぁ、恐いよな~。普通なら失禁ものである(笑)。
 
 獅子はまだ完全に起き上がった訳ではなかったが、確かに一点先取されてからのブラジルはこれまでのブラジルとは違った。あの不調だったロナウドが生き返った。
 世界が本気になるとあんなに力の差が出るものなんだろうな~とつくづく痛感させられた。
 いいものを見せてもらった。
 オーストラリア戦もそうだった。
 
 こういう例えは適切かどうか分からないが・・・・・・一瞬、太平洋戦争を彷彿させた。
 真珠湾の奇襲では優勢だったが、その後、敵の怒涛の攻めに遭い、ことごとく敗戦を繰り返して行ったあの反省多き戦争。そこに「世界」が有り、正に「世界」をまざまざと見せ付けられたシーンだった。
 
 誰々が悪かったとか、どこどこに問題があったかでは、最早無い。
 日本で最もサッカーが上手い選手達とそのスタッフ達が精一杯闘った結果があれなのである。
 今は、選手やスタッフ達を労い、賛美・賞賛するべきである。そして、次のための反省材料として重要であると位置づけられるべきであろう。
 いつまでも落胆してはいられない。次である。
 
 多くの国の選手や監督が言っている。
「W杯は、決勝TからがW杯なのだ」と。カッコイイ! 昨夜のアルゼンチン・メキシコ戦などを観ていても、やっぱり凄かった。
 世界の技術やスピード・体力に感嘆させられた。これからも超豪華なカードが目白押しである。
 
 中村選手・中田選手の涙とこれからの「本当のW杯」を観た日本の多くのサッカー青少年達が奮起し、夢と志を持ち、次代を担う「日本の獅子」に成長してくれることを心から期待したいものである。
 
 それにしても、次回の南ア大会のとき、僕は一体どこでどのような形でW杯を観ているのだろう?