先日、『ここ変』終わりで、一緒に番組に出演していたホーキング青山君と師匠と食事会をした。ホーキング君は、生まれながらにして先天性多発性関節拘縮症という難病のため、両手両足が使えない、いわゆる一種一級の身体障害者である。でも、彼はなぜか底抜けに明るい。彼はお笑いを職業にしていて、乙武洋匡氏の『五体不満足』に対抗して、最『ユニバーサルセックス』という身体障害者の性についての本を出版した、とってもおちゃめな人物である。うちの師匠や立川談志師の大ファンとあって、その口調やネタも辛口である。僕も、一度、早稲田での彼の公演を聞きに行ったことがある。ネタの内容は、自分の身体の不自由さを題材にした自虐的ネタ。面白いのだが、果たして笑っていいものかどうか? ちょっと躊躇してしまうのだ。そのことを本人に問うと、「どんどん笑ってください! 笑わせるためにネタをやってんですから」とあっけらかん。自らを「身障者界のヨゴレ」と公言してはばからない中々逞しい人物なのだ。彼を実際抱えさせてもらったのだが、これが半端じゃなく重い。到底一人では持てない。柔道部出身で力自慢のプロデューサーが抱えたが、ホーキング君を抱っこしたまま後ろに転倒し、一瞬ヒヤリとさせられた。飲み会では、ホーキング君の横に師匠が座り、いろいろ介護してやるのだが、これが大ボケで、ホーキング君の口に食べ物を運ぶのを、ギャグでオデコとかに持って行くと彼も「アッチィ! 口はそこじゃないっすよ!」なんて嬉しそうにリアクションするのだ。回りは大笑い。本人も満足そう。そんな様子を見ながら、こういう状態こそが真の「バリアフリー」なんじゃないかなと思った。