先日、サウナで30歳代の男性に声を掛けられた。
その男性の話によると、彼はこれまで林野庁に勤務していたが、
今回生まれ故郷である宮崎に帰って来たのだという。
彼の実家が建設業をやっていて、昨年、電子入札や一般競争入札導入になり、
経営が大変になったので、実家の家業を継ぐために林野庁を辞めて宮崎に帰って来たのだという。
僕が、業界の方々には本当にご迷惑をお掛けしてすみませんと謝ると、
彼は僕を攻めることなく、こう言った。「知事!税金を無駄にする談合は撲滅しなければなりません。
改革は断行して下さい。僕等はこの宮崎の土木建設業を支えるため、懸命に頑張ります。
宮崎を根底から支えるために僕は帰って来ました。どげんかせんといかんです!」
彼は爽やかに笑った。
僕は、感動した。こういう人もいるんだ。
民主党代表代行の菅氏から道路特定財源と暫定税率等について、
公開討論の依頼があった。僕は、県内でも特に交通インフラの遅れている
県北(延岡や高千穂)で公開討論をやりたかったが、どうやらスケジュールの都合で、
東京で行わざるを得ないらしい。地方の道路のことを議論しに東京に行かなければならない。
これって、国土交通省への陳情と構図は何も変わっていない気がする。
東京で、地方の道路事情について討論して、何が実感出来るというのだろう?
東京のメディアにも、宮崎市から車で2~3時間かかる県北に是非来て頂きたかったけど、残念である。
中央で何もかも決められて行く現実は果たしていつまで続くのだろう?
明日はその中央である。自民党政務調査会財政改革研究会に呼ばれている。
そこで地方の代表として地方の声を聞かせて欲しいとのことである。
やれやれ。
中央から地方を思って帰って来る人々もいる。
僕もその一人である。中央から帰って、地方のために頑張ろうとすると、
また中央に行かなければならないこの現実って一体?