2021ー問題34
皮膚カンジダ症に保険適用のある抗真菌薬はどれ 3つ選ぶ
1、アモロルフィン◯
2、ブテナフィン
3、ケトコナゾール◯
4、イトラコナゾール◯
5、リラナフタート
外用抗真菌薬のうち、カンジダ症に効果が高いのは
- ラノコナゾール(アスタット®︎)
- ルリコナゾール(ルリコン®︎)
- ネチコナゾール(アトラント®︎)
- ケトコナゾール(ニゾラール®︎他)
- アモロルフィン塩酸塩(ペキロン®︎)
注意すべきは、
ビホナゾール(マイコスポール他)とテルビナフィン塩酸塩(ラミシール他)
これらはカンジダに対して適応はあるが、実際の効果はかなり低い!
リラナフタート(ゼフナート)とブテナフィン塩酸塩(メンタックス、ボレー他)はカンジダ症に対して適応がなく効果もない!
剤形…どうやって使い分ける?
湿度が高い病変では接触皮膚炎のリスクから、軟膏が適している。
湿度が高くない病変であればクリーム剤も使用可。
液剤やローション剤は、カンジダ性爪囲爪炎や爪カンジダ症に経口抗真菌薬を投与した上で補助的に用いる以外にはないと考えてよい。
<補足>
経口抗真菌薬の場合は?
カンジダ症に有効な経口抗真菌薬はイトラコナゾール!
外用と同様、テルビナフィンはカンジダに効果が低い。
・カンジダ性爪囲爪炎…外用抗真菌薬で改善することもあるが、
多くの場合、経口抗真菌薬が必要。
・爪カンジダ症…経口抗真菌薬が必須。
イトラコナゾールは、カンジダに対しては連続投与する(爪カンジダ症を含む)。
処方例
1)爪白癬(パルス療法)
イトリゾールカプセル50mg 8カプセル
分2 食直後内服 7日分
※1週間内服、3週間休薬を1サイクルとして、3サイクル繰り返す
2)爪白癬以外の白癬、カンジダ感染症、マラセチア感染症(連続投与)
イトリゾールカプセル50mg 2カプセル(重症例では4カプセル)
分1 食直後内服 連日投与 分割しないのがポイント
投与期間は?
経口抗真菌薬がメインとなる爪白癬などの病型では治癒まで投与するが、
その他では1~2カ月経口抗真菌薬を併用した後、外用抗真菌薬単独に戻すことも可能。1~2カ月程度の併用であれば、副作用もまず起きないため、特に基礎疾患もなく健康診断で何も指摘されていない患者の場合には、採血を行わずに使用することもあるとか。
参考:日経メディカル イトラコナゾール/カンジダ症の治療に使用する外用薬 常深祐一郎先生