突然の学校閉鎖から始まって、スーパーの棚からトイレットペーパーが

消えたパンデミックの始まり。マスクも消毒液も

無くなり、マスクの手作りが流行った。

 長い人生初の自粛生活。必要最小限の

外出にオンラインでの会話。外食ではなくテイクアウト。正体不明のウィルスを

恐れて、

通りから人の姿が消えた。

 本音を言えば、当初は少しホッとしてもいた。誰からも不審に思われず家の中で過ごす日々。家の整理もできるし、買ったままの本も読もう!

 それまでのせかせかした時間がパタっと止まり、自分の時間に変えていけるチャンスでもあるのか、と。

 けれども、次々と発生する変異株にパンデミックの出口が見えなくなった。ワクチンなるものが救世主として現れ、七割位の人々が接種すれば集団免疫となり、この感染症は収束するという話だった。が二年以上経過した今でも終息宣言は聞かれない。

 この期間、じぶんを含めて周囲の状況が大きく変わったとは言えないが、町の空気も町を行く人々の様子も何かが抜け落ちたような気がしている。うまく言えないが、リアルであってリアリティの感じられない世界にいるような感覚。わたしは不安で疲れてしまったのかもしれないが、何か手触りのあるものを探してジタバタしたいです。