こんにちは、稗田利明です!

## 内閣府の孤独・孤立対策メタバース「ぷらっとば~す」が批判の的に

5月26日から28日にかけて、X(旧Twitter)で「メタバース」がトレンドにランクインし、内閣府が孤独・孤立対策強化月間として公開した謎のメタバースコンテンツ「ぷらっとば~す」に対するネガティブな意見が飛び交いました。[1]

「ぷらっとば~す」は、PCやスマートフォンのWebブラウザから入れる、"スーファミ"時代のRPGゲームのような雰囲気を持つコンテンツです。名前を変更して遊べることに気付いてしまった人たちが、不適切な名前を付けるなどの行為に及んだことから、批判が巻き起こりました。[1]

### 孤独・孤立対策を"広く知らしめる"が目的

「ぷらっとば~す」は、2023年6月に公布された「孤独・孤立対策推進法」に基づき、孤独・孤立に悩む国民への対策を推進する目的で作られました。2024年5月は初の孤独・孤立対策強化月間として位置付けられ、内閣府の孤独・孤立対策推進室がこのメタバース空間を活用した広報・イベントを実施してきました。[1]

しかし、行政がメタバースコンテンツを直接作ったわけではありません。「官公需情報ポータルサイト」で確認すると、「孤独・孤立対策強化月間」の周知のためのコンテンツ作成及び広告業務をアウトソーシングしていたことが分かります。「ぷらっとば~す」はその一環として作られたと考えられます。[1]

### 会話が禁じられたメタバース空間

「ぷらっとば~す」は5月1日にオープンしましたが、世間の反応は薄く、実際に体験した人は少なかったようです。そんな中、5月26日に社会学者の古市憲寿さんがXに投稿したことで、状況が変わりました。[1]

古市さんは「ぷらっとば~す」に入ってみたところ、会話ができない仕様になっていることに気付きました。孤独・孤立対策のメタバースコンテンツで会話ができないのは矛盾があると指摘し、「これでは孤独対策にならない」と批判しました。[1]

この投稿をきっかけに、「ぷらっとば~す」への批判が広がりました。会話機能がないことに加え、単調なグラフィックや操作性の悪さ、目的が不明確なことなどが指摘されました。[1]

内閣府は孤独・孤立対策の一環としてメタバース空間を作ったものの、その実態が批判を浴びる結果となってしまいました。行政によるメタバース活用の難しさが浮き彫りになった出来事と言えるでしょう。

Citations:
[1] https://minpo.online/list/
[2] https://www.it-news-pro.com/%E7%95%AA%E5%A4%96/
[3] https://minpo.online/list/opinion.html
[4] https://journal.ntt.co.jp/article/24542
[5] https://lexferenda.com/sagi/