こんにちは、稗田利明です!

KDDI(au)は2024年3月期の連結決算を発表し、売上高は前年比1.5%増の5兆7540億円、営業利益は同10.7%減の9616億円の増収減益となった。 ミャンマーにおける事業の債権引き当てなどの一時的な影響があったため減益となったが、それを除けば増益に転じた。 高橋誠社長は「一時的な影響以外は非常に順調」とアピールした。

特に携帯料金の値下げ影響による通信ARPU収入の減少から反転し、増収に転じたことが同期の特徴で、高橋社長は「やっとトンネルを抜けた感じがあり、ARPUの反転は非常に明るいニュース」と安堵の表情を見せた。

モバイル事業におけるグループMVNO収入と楽天ローミング収入が前年同期比411億円と大幅減となったが、マルチブランド通信ARPU収入が50億円の増とプラスに転じた。 DX、エネルギー事業もプラス成長で、金融事業は住宅ローンの会計処理変更による一時的影響があって182億円の減少となったが、それを除いて142億円のプラスだった。

主力のモバイル事業では通信ARPU収入が増収となり、DX事業や金融事業、エネルギー事業が2桁成長を達成して順調な進捗。 モバイル事業のエリア展開では5G開設計画を完遂し、約9.4万局の5G基地局を設置した。

中期経営計画に対する進捗では、ARPU収入増加は「目標に対してややビハインド」という状況だが、プラスに転じたことで進展。 注力領域の利益目標は約470億円となり、燃料市場高騰のエネルギー事業が足を引っ張る。 1株あたりの利益(EPS)について、2019年3月期と比べて1.5倍にするという中期経営戦略は、通信料金の値下げ、燃料市場高騰、ミャンマー政変という想定外要因が重なったことで達成が困難になったとして1年延長。