ひづきです。
普段日本画のことについて
皆さんから沢山質問されるので、
たまにはまじめに日本画について
書いてみようと思います

※今後【日本画入門講座】は
「まじめに日本画。」カテゴリにまとめます



まずはじめに
日本画って何?どんなの?



ということを
簡単に説明します

ちなみにGoogle先生のお答えはコチラ
笑


奈良時代頃に中国大陸から持ち込まれた絵画ということのようです

昔は中国らへんから文化や品物等々
いろんなもの入ってきてましたもんね





唐(618-907)の物は唐物と呼ばれて
とっても良いものとして大事にされていたそうです。
そうして取り入れられた絵画や絵画技術は
現代日本画で用いられているものと同じで
みなさんご存知の墨も主に使われますが
彩色に関しては
いろんな色の鉱物等を砕いた粉=岩絵の具
を
動物由来のコラーゲン=膠(にかわ)
で紙や絹、木などに定着させて
描くというものでした

その岩絵の具とは文字通り
例えばこういう感じの、
本当の岩=鉱石などを
粒子状に砕いた絵の具のことです

このサイトすごいわかりやすいです






中国の方から入ってきたものは
唐絵(からえ)と呼ばれて、
当然描かれるモチーフも
中国の風景や歴史関係のものばかりでした

それが次第に
日本の人々がその技法を使って
日本の風景や歴史関係のモチーフを描くようになり
大和絵(やまとえ)とも呼ばれる
日本独自の絵画が
作られるようになりました

音楽とかに当てはめるとちょっとわかりやすいと
思います

西洋からロックやヒップホップなどが入ってきて
「お、あれかっこいい
」と


日本語版でそういうジャンルが流行っていったりしますよね



そんな感じで日本の中で
育っていったんですね



※土佐光吉・長次郎《源氏物語画帖》詞青蓮院尊純
所蔵:メトロポリタン美術館
そして
例えば有名な源氏物語絵巻の挿絵だとか
有名な人物の肖像画・似絵(にせえ)だとか
もちろんお城の襖だとか
主にそういった今よりも用途の明確なものに
日本画は歴史上描かれてきました



昔は
写真がないから肖像画を描く、だとか
威厳を示すための場だから絵で飾る、というような
日本画の在り方が普通だったんですね



それが
襖や掛け軸や屏風などでもなく
額装されて展覧会で展示・販売されたり
するようになったのは
近代になってからのこと

そして
明治時代頃に西洋から伝えられた西洋画
つまり西洋の版画や油絵等と区別して
もともと日本で描かれていた絵画を日本画と
初めて呼んだそうです。
※ちなみに中国方面ではもちろん
「日本画」とも「中国画」とも呼ばれず
「膠彩画(こうさいが)」と呼ばれるそうです。
膠で描くんだからそれが正しいんじゃないの
と

正直思います。笑
現在ではもう日本画
も

油絵
のように壁に掛けるように

額装した作品が主流になっているので、
昔のように掛け軸や絵巻のように
描いた絵を巻いたり折り畳む必要性が
無くなってきています。
その為、物理的に絵の具を薄く塗らなくても
差し支えなくなってきました



(巻物の挿絵を描く絵の具を
油絵みたいにタッチ盛り盛りで描いたりしたら
綺麗に巻けずに絵の具が割れちゃったり
剥落したりしてしまうので

)



所蔵:メトロポリタン美術館
そういう点から近世では
日本画とは薄塗りのものであるという
イメージが崩れてきて、
油絵と区別がつかない!なんて
言われるようになってきました



ですので最近はだいたい、
油絵の具で描かれたものを油絵
岩絵の具で描かれたものを日本画
と画材で呼び分けるのが主流のようです



厳密には
西洋から入ってきた絵画と
日本含むの東洋の絵画とでは
精神的・哲学的な差が大きくあるのですが
そこらへんはまた今度
書こうと思います

笑








ひとまず第1回目は
こんな感じで。



今回の一枚

和紙・岩絵具、2017年作










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