5Days”彼氏?彼女?”後編グッチ作品 | ここにある愛のうた GT ~hidorut party~

ここにある愛のうた GT ~hidorut party~

運命とは時に皮肉な悪戯をします。



闇を抜け、かけがえのないあなたと

ふたりで歩いて行きたい…

―――平日で人影も疎らな街中を俺とユカは歩いていた…。



「それにしてもhidって天才?こんなの獲っちゃうなんてっ!!」



ユカは先程、俺がゲーセンでゲットした大きめのぬいぐるみを重そうに抱えていた。



「ねぇ、ますます幼く見えるんだけど…」



“これじゃ少女を連れ回してる変質者だよ、まるで…”



「もぉ!人が気にしてることズバッと言うなぁ!このっ!このっ!」



「ぬいぐるみでパンチしてくるなっ!!そうゆう行動を含め幼いと言ってるんだっ!!」



しかし…これはこれで可愛いのだが、如何せん周りの視線が痛い。



そこで俺は一計を案じてみた。



「よく聞け、俺達は仮の恋人同士だ。だが、他人はそう解釈してくれないだろう。とくに近所の連中には要らぬ疑念を抱かせたくない。」



「ぅ…仮の恋人だなんて…今、言わなくても…」



「最後まで聞きなさいっ!そこでだ、今日のデートの間は”兄妹“という設定でいこうと思う」



「ほぇ?…兄妹?」



「そ、兄妹」



「へぇ~おもしろそぉ、じゃぁさ!なんて呼ぼうかっ!?やっぱりぃ、ん~?…hidお兄ちゃん?hidにぃ?もしかして私がお姉ちゃんっ!?」



「…最後のは無い…」



「そぉ~?ならばシンプルに“お兄ちゃん”でっ!!」



「それでいいよ…それにしても嬉しそうだな?」



「うんっ!だって私一人っ子だったから兄弟とか姉妹にすっごい憧れてたの!!」



「それはよかった」



「えへっ、兄妹でデートなんて、すっごい斬新っ!!楽しみだねっ!お兄ちゃん!!」



¨お兄ちゃん…か…ちょっと癖になりそうだな¨。



その後、ウィンドウショッピングなどを楽しみ、小腹が空いた俺達は休憩を兼ねてマックに入った。



「…いいなぁ~羨ましぃ」



「何が?」



「マックの店員さんよ、私こんな店でバイトしたかったの…」



「すればいいじゃないか?」



「うぅ~ん…それはちょっと難しいかな…親も反対だったし…」



「難しい?ま、いいや…でも何でマックなんだ?」



「高校に入学したてぐらいの頃に親友の子がマックでバイトして、すっごい楽しいって言ってたからやってみたかったのよね…」



「ふぅ~ん…でも、ユカの両親は厳しいんだな。 ファーストフードはダメ、バイトもダメ」



「そ、そうね、そういう事になるの…かな…」



釈然としない返事に俺は質問を投げ掛けてみた。しかし…。



「ふふっ、教えてあげなぁーい。秘密よ、ひ・み・つ♪」



人差し指を口に当てる仕草を見せるユカ。



「何だよ、そりゃ?」



「だから、秘密。秘密や謎が多い女ってとてもステキだと思わない?」



「また変な持論を展開しだしたね…もういいよ、聞かないよ。」



「そーよ、それが賢明ってやつよ。それじゃ出ましょうか」



こうしてマックを出てデート再開。




“しかしケースの中身といい、これまでの言動といい、この娘は何かを隠している…まさか…”



一瞬だけの過った悪い予感を打ち消す。



「ねっ?お兄ちゃん♪あそこのお店に寄ってみない?」



不意にかけられたユカの声に意識を引き戻される。



「ん?あ、あぁいいよ」



たいして深く考えずに返事をしてしまったことに後悔した。



なぜならユカの指差す場所はジュエリーショップ。



要するにここでの買い物は少々値が張ってしまう。



「お、おいっ!ちょと待っ…」



「わぁ~!このリング、かわいぃー!」



¨遅かったか…¨



かくしてペアリングを購入するハメになったのだが、ユカが店員の前でもお構いなしに“お兄ちゃん!”を連呼するために白い目で見られたのは言うまでもない。




店を出てからの俺の説教タイムにも、ユカはうわの空で…



ため息の先の太陽はもう西の空で…




二人で同じ部屋に帰ること…




¨恋愛ごっこ¨とはいえ、少し幸せを感じている俺がいた…






こうして日は暮れ、三日目の夜を迎える―――



《彼氏?彼女?》後編終わり!!

次回《若奥様!?と晩餐》へ


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