春まだ遠き海
氷の風…荒ぶる波…
小さな船は
ひとつまたひとつと
壁となる波を越えなければならない
なぜそこへ行くのか
そんなに小さな船で…
簡単なことだ
目の前の海は生きる場所
小さな船しか持たぬから
その船で海へ出る…
容赦のない荒れる海は
高い宙で割れ
凍てつく雨を降らす
逃げることはしない
迫る波を避けていては
この小さな船は枯れ葉のごとく裏返され
命はない…
そびえ立つ波に向かい
真っすぐに船首を向け
波を裂き乗り越えるのだ
次の波も…また次の波も…
真っすぐに…
やがて…
風はやわらぎ視界を遮る波はなくなる
目の前にはたどり着く場所が広がる…
まだ力を持たぬ僕らでも…
そびえ立つ困難に向かい
真っすぐに突き進むことも
時には必要なのかもしれない…
