初めての月命日 | 53歳で逝ってしまった夫へ

53歳で逝ってしまった夫へ

人生の相棒でパートナーだった夫が53歳で逝ってしまいました。
子供のいない私達でしたが、山の中で出逢った猫が18年10ヵ月半、私達に家族として寄り添ってくれました。
夫の事も、愛猫の事も、忘れたくなくて、手探りですが、書いておきたいと思った事を綴ろうと思います。

あっという間の1ヵ月

走り続けた1ヵ月


貴方がいなくなってから1ヵ月

 

記憶と気持ちの整理になるかな・・・と思って書いておく事にしました。

 

 

1月4日(土曜日)

午後10時頃、頭痛と吐き気がする、と。

キッチンの流し台で吐いてしまったと。

頭を冷やしたいから、アイスノンか保冷剤が欲しいと。

布団で横になったところへ保冷剤をタオルに包んで渡して。

流しを片付けていたら

まだ吐き気がすると言ったので、

吐いちゃって良いよとバスタオル何枚か渡して。

嘔吐を数回繰り返して。

返事が曖昧になって来て、いびきみたいな息づかいになって。

名前を読んでも返事が返って来ない・・・

午後11時過ぎ、自分がパニックになりそうだった。

救急車を呼んで、救急搬送してもらって

CT検査の結果、脳に出血があって、

緊急手術が必要と告げられました。

 

1月5日(日曜日)

未明に手術が終わる

ICU入院で経過観察

午前5時、病院から一旦自宅へ戻る時、雪が降っていた・・・

午前9時に、手術後のCTを撮りますと言われていたので

午前10時、病院に行って医師からの説明を受けた。

脳出血と急性水頭症ですと。

今回の出血は細い血管からで急性のものと思われると。

ドレーンも入っているけど、少しずつ脳内の血が抜けてくれば

脳内の圧も下がってくるはず、と。

 

1月6日(月曜日)

ぼんやりと朦朧としていたね。

眼は開けていたけど、見えていたのかな。

 

1月7日(火曜日)

昨日よりしっかりと眼を開けていたね。

自分の名前を言っていたね。

しきりに何かを言いたそうだった。

私の事はわかっていたのかな。

それでも話しかけると「そうそう」とか

待ってるから帰ろうね、って言ったら「そだね」とか

言っていたと思うのだけど。

 

1月8日(水曜日)

頭にドレーンが入ったままだから

朦朧としてしまうのは仕方がないんですよね・・・と言われた。

それでもしきりに手足を動かしたり

いつも早口の人だったから、モゴモゴと何かをずっと言っていたね

午前中にMRIを撮った結果、脳内の経過は順調と言われたのに。

 

1月9日(木曜日)

午後、面会に行ったら、心臓のエコーを撮りますと言われ

見ていたけど、エコー技師の人は私にはどんな状態かは

説明はしてくれない(当然なんだろうけど)

でも夕方から寒気を訴えて・・・

今思えば。

この寒気からがカウントダウンだったのかもしれない・・・

 

1月10日(金曜日)

この日も午後、面会に行ったら、熱が高いと

でもインフルエンザの感染対策で、病院は今日から面会全面禁止

それでも少しだけなら、と面会させてもらった。

会えなくなるなんてどうしよう・・・と思いながら帰って来て

午後7時30分過ぎに病院から電話。

呼吸がだいぶ荒くて、病院まで来られますかと

20分くらいで病院に行ったら

のどに大きな痰の塊があって、それを取って

自発呼吸はしてるんだけど、補助の為に呼吸器をつけましたと。

呼吸は落ち着いたけど、相変わらず熱は高くて40度近い。

自宅から病院までは10分くらいなので

夜は帰りますか?と聞かれたけど、

熱で辛そうな眼で、私を見ているのに帰りたくなくて

仮眠しながら泊まる事にした。

 

1月11日(土曜日)

夜中に何度も看護師さんが様子を見に来る。

未明から看護師さん達の動きが慌ただしい。

何が起こってるの・・・?

午前7時より少し前だったか・・・

会わせたいご家族がいたら連絡してくださいと

何・・・? どういう事なの・・・?

さすがの私も貧血起こしてフラフラしたらしく

どこかにぶつけて額を切っちゃった。

自分ではわかってなかったけど

貴方のところへ行こうとしたけど

看護師さんに顔が真っ白だし出血してるしと

少し横になってくださいと言われてすぐに行けなかった・・・

脈も血圧もさがって心肺蘇生で持ち直しましたと言われて

合併症で敗血症ショックが考えられるのでカテーテル治療しますと。

医師と看護師さん達が、どこからカテーテルを入れるかとか

話している内に、また脈も血圧もさがって。

また心肺蘇生の処置をしますと。

見ているのも辛いだろうと、外に出るかと聞かれたけど、

側にいたい、でも怖い、と言いながら、

どこかにつかまってその場にいた。

その間、看護師さんが私の背中をさすっていてくれた。

貴方の脈も呼吸も心音も0になっちゃった・・・

 

 

 

医師からの説明によると・・・

脳内の手術そのものは経過観察していた限りでは順調だったと。

しかし心臓肥大が見られ、体格の割には腎臓が小さく

機能低下もしていたのではと。

 

手術は乗り越えたのに、疲れ切っちゃったの・・・?

病院嫌いで、頭痛くらいで救急車なんか呼ぶなって言ってたけど

あの時、もっと早く救急車を呼んだ方が良かったんじゃないかって

たらればを言ってもどうしようもないんだけど・・・

考えてしまいます。

熱で辛そうな眼で私を見たね。

それが貴方の眼を見た最後になりました。

なんで入院なんかさせたんだよ、って言って欲しかった。