今日かみさんが娘2人を連れて出かけたので、おいら日比谷で『関心領域』を観てきやした。
「これは映画館で観なきゃ」と思ってたので、終わる前に行けてよかったわ。
アウシュビッツ強制収容所のすぐ隣で暮らす所長と、その家族を描いたドラマでしてね、加害者側ではあるけれど普通の生活が描かれてます。
収容所の中から聞こえてくる銃声や怒鳴り声や叫び声や、おそらく収容される人々を運んできた機関車の音などに、彼ら家族は全く無反応で気にもしてません。なので作品そのものも淡々としてますよ。
今までの映画に出てきたホロコーストの加害者側は、敵国の酷く悪い奴らとして描かれていたし、加害者側が主人公だとしてもシンドラーのよーに助けてくれる人でした。
でも今作の主人公たちは、まるで一般の会社員の家族なのよね。だからかな、冷酷さ故の無関心なのではなく、正常性バイアスによる無関心、無反応なんだと考えさせられましたわ。
しょーじきな意見として、この映画を「つまらない」と言う人は多いかと思います。
でもね、おいらは観る側が試されてるんじゃないかと思うんですよ。
「面白くないと思うのか? じゃあ無関心な人間と同じだな」と。
つまりさ、世間や世界の出来事に無関心なのは誰かってことよ。
実は映画を観てる我々かもしれないぜ。