アンカーを外すために海外に出るべき | 和久井秀俊オフィシャルブログ「海外サッカー選手のホンネ」Powered by Ameba

アンカーを外すために海外に出るべき

 

 

無意識に初期値を作っている

 

 

僕自身は、海外に一度は出た方が良いと思っています。国外にずっと住みたいという気持ちで話している訳ではなく、外の世界を自分の肌で知るべきだと思っています。

 

 

「大きなお世話だ。」と思う方は、ここで閉じて下さい。人は生まれてから小さな領域から段々とそのフレームが大きくなっていきます。例えば、お腹の中⇒ベッド⇒家庭⇒公園⇒学校などと、出会う人や触れる物、ルールもどんどんと変化していきます。

 

 

正解がないモノや未知のものに対して、人はまずアンカーを求めていきます。このアンカリングとは、予測や判断を行う上で「初期値」を作ることです。

 

 

例えば、5000円の福袋だけが売られていても、多くの人は予測や判断ができないでしょう。もしかしたら、福袋を売っている人の容姿から判断するかもしれませんが。

その際、皆参考となる福袋の中身や店舗にある商品との価格差など、様々な情報を得て、初期値を作っています。売っている人の容姿から判断しようとした方も、また初期値設定を行っているということですね。

 

 

逆に考えると、このアンカーが強い影響力を持っていて、それによって行動が変わってくるということも言えます。その典型的な例が、皆インターネットの情報によってアンカリングするようになりました。

 

 

 

 

アンカーを意識するだけで行動が変わる

 

 

話を戻して、様々な国の人の初期値から考えると、日本というのは独特の文化を持っています。しかし日本に住んでいる人には、日本が初期値となります。それが全くの根拠があったとしても、なかったとしてもアンカリングした情報はその人にとって重要なアンカーになります。

 

 

実際に体験する中でアンカリングしていく必要があるのは、他人の情報だけでアンカリングをし続けると、自分を見失ったり、「集団思考とメタ認知」でも書いたように無意識に多数の集団の意志が自分の意志となっていきます。僕自身もあえて情報を入れることなく、その土地に入り、最初に出会ったその国の人の言動で、アンカリングしていったりもします。

 

 

もちろんすべてのアンカリングを自分ですることは出来ませんが、世の中には言葉や映像では表現できないものがたくさんあります。これは自分の五感で感じるしかありません。人間はとても複合的な造りなので、動きを追求すれば追求するほど難解になっていきます。しかし伝えるためには、分かりやすく簡略化します。簡略化された情報が多くの人の初期値となります。

 

 

情報や知識はとても大切ですが、一歩領域の外に自らの足で出てみると、きっとここで書いている意味を感じて頂けると思います。そしてきっと共感してくれる人もいると思います。