◆身体を評価する方法 ~背部編~ | 和久井秀俊オフィシャルブログ「海外サッカー選手のホンネ」Powered by Ameba

◆身体を評価する方法 ~背部編~

和久井です。

自分の身体の状態を知ることが、トレーニングの前提として大切だということは、これまでも書いてきました。

しかし実際に、どのように自分自身を評価すべきなのか?正確には、治療家やトレーナーの力が必要になります。(トレーナーという呼称は明確ではないのであまり使いたくはないのですが、ここでは分かりやすいので使用します。)

 

プロ選手であっても、クラブの中で一人の選手に一人のコンディショニングトレーナーが付くことは不可能です。選手個人とトレーナー個人での契約によってトレーナーが常に帯同しているのはごく一部の選手で、多くの選手が自ら選ぶ治療家やトレーナーに身体をケアしてもらっています。

 

そこで今回は、トレーニングをする前提として、「どんなトレーニング、または休息が必要なのか?」を見極めるための、身体の評価の方法を考えたいと思います。見解は、あくまでも選手の立場で書いていますので、ご理解下さい。

 

今回もサッカーに関連した傷害や病因などの研究を目的とした、FIFAが設立した医学評価研究センターの調査結果を参考にします。(要約)他により良い資料があればそれを参考にしたいです。

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頚椎、胸椎、腰椎を検査

 

脊柱検査

被検者が右腰を約30~45°まで曲げる。 正常な場合は、上後腸骨棘が下方移動する(正 常な前屈)

 

頚椎の可動域

頚椎を右に回旋させ、全可動域 を調べる

 

背柱屈曲(立位体前屈)

 

仙腸関節

正常な場合は、両側が左右対称に前方移動する

 

骨盤の高さの差

 

下肢長

 

上記検査結果フォーム

 

上肢

 

肩の安定性

 

 

肩鎖関節の安定性

 

肩鎖関節の圧痛

 

肩の内旋

 

肩の外旋

 

肩の挙上

 

肘の屈曲

 

肘の伸展

 

前腕の回外

 

前腕の回内

 

手関節の屈曲

 

手関節の伸展

 

手指の伸展

 

手指の屈曲/把握

 

胸筋

 

僧帽筋

 

上記検査結果フォーム

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以下、あくまでも個人的な意見です。

 

上記の検査自体は、もちろん選手自身では不可能です(頸椎検査は特に危険なので、適切な機関で検査を行ってください)。大切なのはこうした検査を行って、そのデータを蓄積させるということが大切です。

 

人間の身体は左右対称であり、様々な外的・内的要因で毎日結果は変化します。自分の感覚だけのコンディションだけの認識ではなく、データとして認識することで怪我や病気、不調、またトレーニング内容の作成やその結果を、自分で評価するための材料にしましょう。

 

こうしたフォームをまとめて検査機関に持っていって、年に1回でも定期的に検査してもらってもいいですね。こうしたアプリを作ってもいいですね。誰か一緒に作りましょう。

 

ここからはさらに個人的な意見を入れて、もう少し深堀りします。

 

①頭の重さはプレーする上でかなりバランスに影響するので、しっかりと胴体の上に乗っていた方が良いし、ここでは深く書きませんが、呼吸にも影響を与えます。

 

②普段の生活でスマホやパソコン、座り方、立ち方など首や肩、そして胸を酷使していると、段々と身体が変わっていきます。よく言われる、ストレートネックや巻き肩などは、怪我の要因やプレー精度の低下にも繋がりかねません。

 

③バーベルなどを使ってウェイトトレーニングをしている際に、常にグリップしている状態を繰り返すことで、肘から手首までの筋を痛めていたり、常に肩や腕に力が入っている状態になってしまい、可動域制限が起こる場合があります。

 

こうした筋や骨の正しい位置と角度を理解しておくことで、変化に対応できるばかりではなく、さらに様々な筋群を意識的に動かすことができるようになります。

 

例えば、肩甲骨を立甲させたり自由に動かすことで、鞭のような胴体からの出力が指先まで繋がったり、手首の角度を変えずに肘を回内、回外することができると出力がさらに上がります。

 

ただ、お伝えしたように個人差や左右差、怪我などによってネガティブな反応が出ることがあるので、測定の結果と数値だけを見ずに、しっかりと普段の生活とトレーニング、さらには試合などを総合的に見比べながら、自分の目標値を設定した上でトレーニングに活かすことをお勧めします。