喉の奥を指でつつくと、「オェッ!」っとなります。吐き気がします。

これを嘔吐反射と言います。

 

嘔吐反射は、体の中に変な物が入ってきた時に、それを体の外に出そうとする防御反応です。

この反応が過敏すぎて、歯科治療で奥歯あたりを治療しようとするとすぐにえづいて、治療が難しい人がいます。

奥歯どころか、かなりひどい人ですと、歯科治療の器具の小さい鏡などを顔の前に近付けるだけで、

「オェッ!」とえずく人もいます。

 

ごはんを食べる時には、嘔吐反射は起こりませんが、歯磨きで奥歯がえずきで磨けない人もおられます。

 

こういったえづきやすい人が、歯科医院を受診して、何度もえづいて治療を中断したり、治療中に思わず顔をそむけてしまったりしていると、歯科医師に「ちょっと我慢して!」「あともう少しで終わるから、我慢して!」などと、注意されたり怒られたりして、さらに精神的なダメージも重なり、だんだん歯科医院を受診することができなくなります。

 

治療中にえづかない様にするために、医院側としては、

・まずは、十分コミュニケーションを取り、リラックスしてもらいます。

・次に優しい手技が大切です。歯科医師やアシスタントが喉の奥ばっかりつついてきたら、嘔吐反射の少ない人でもえずきます。

・こまめに優しくバキュームをして唾を吸う

・型取りする時の粘土みたいな薬の量や硬さを調整する。

・椅子を倒さずに、座ったまま治療する。顎を引いてもらう。

・上顎の天井に表面麻酔のお薬を塗る。大口蓋孔に麻酔をする。

・上顎の天井に塩を塗る。

・嘔吐反射を和らげるツボを刺激する。

・静脈内鎮静法

・笑気鎮静法

などが、嘔吐反射を和らげるのに有効とされています。

 

嘔吐反射が気になって、歯医者に5年10年と行けずに、虫歯を放置している人もザラにいます。

上記の様な対応を心がけている歯科医院は、全国にどんどん増えています。

 

是非ホームページ等で近隣の歯科医院を探してみてください。

素晴らしい出会いがあることをお祈り申し上げます。