本書については、機会があればまとまった形で言及できればいいが、しかし書籍も重厚で贅沢だし、また写真集には今年の初めのものまで近影が収録されている。ボックスもしっかりしているので長く保存できる仕様。

 

簡単に感想をいえば、日本の生産の現場をレポートする“経済書”として読める。今年のビジネス雑誌の経済書ランキングでは無視されるかもしれないが、十分にランキングできる本格派の本である。

 

巻末のインタビューは、“言語過剰”な三浦春馬さんらしい豊かな表現で俳優とは何か語っている。そこでは未来よりも“今ここで”を生きる彼の人生観に通じるものが記されている。その今ここで、の先がもっと長く続けなかったのか、写真集での研ぎ澄まされたような肉体や陰影ある面影をみて三浦春馬という人の深さと切なさを感じる。