リフレ派(デフレを脱却し、低インフレ状態で経済を安定化させる主張を説く人達)の有力な論者ー高橋洋一嘉悦大学教授、若田部昌澄早稲田大学教授ーによる、日本銀行政策委員会の審議員として国会に同意人事案として出された片岡剛士氏(三菱UFJリサーチ&コンサルティング上席主任研究員)に対する紹介記事とでもいうべき論説が、和文と英文ででてますのでご紹介。

 

高橋洋一

日銀政策委員、リフレ派増員で民主党色は一掃された

http://diamond.jp/articles/-/125461

 

「今回の片岡氏のように、きちんとした経済予測ができる人が日銀審議委員に指名されるようになり、まともな学者・エコノミストにも正しく予測ができるリフレ派が増えれば、日本経済のためになる人材供給がうまくいくのではないか。」

 

片岡氏がガッツのあるリフレ派であり、またリフレ派の経済学者の経済判断の正しさ(あたる確率の高さ)が政府に信頼されていること、さらに民主党時代に指名された事実上のデフレ派委員が一層されたこと、民主党(現在の民進党)の経済政策ー消費増税とデフレ促進ーへの批判が中心です。

 

若田部昌澄 MasazuminWakatabe

Why PM Shinzo Abe Should Listen To Reflationist Bank Of Japan Nominee

https://www.forbes.com/sites/mwakatabe/2017/04/20/why-pm-shinzo-abe-should-listen-to-reflationist-bank-of-japan-nominee/#2b09c96c701e 

 

今回の日銀同意人事案についての二名(鈴木人司(三菱UFJ銀行)氏、片岡氏)両者への目配りのきいた紹介。鈴木氏の銀行での業務についての実績(日本国債から多様な資産マネージメントのシフトなど)を紹介し、おそらくマイナス金利のような政策を銀行家の出自である彼は好まないだろうが、他方で現行の日銀の政策に反対もしないであろうと読んでいる。ここは僕も同意するところだ。

 

片岡氏については実に丁寧に人物紹介、業績紹介をしている。やはり共著論文を書いただけある。主要著作のサーベイ、また最近の構造失業率の実証の紹介などから、より一層の金融緩和(名目GDP目標)や積極財政による教育、再分配への重点政策などが、いかに熱い心と冷静な判断によって提起されているかよく書かれている。

 

そして安倍首相は、片岡氏の発言をよくきくべきだとしている。もちろん日銀の中での今後の活躍に大きく期待していることは言うまでもない。

 

高橋氏も若田部氏の論説も実に周到なものだ。

 

ちなみに私の今朝の片岡さんへの言及は両者にくらべてかなりくだけているが、彼の人となり、そしてその経済分析にかける使命感を余すところなく伝えたのではないと思う。以下のニコ生で聴けるようだ。

 

http://www.nicovideo.jp/watch/sm31066864