竜二Forever(2002) | とし104の気ままに映画プログ2

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 金子正次という役者をご存知だろうか?小料理屋を営む傍らでアングラ劇団ゼットマンの座長を務め、自分の夢の長年の構想である任侠映画「竜二」を作ることに命を懸け、仲間たちと共に様々な苦難を乗り越えて「竜二」を完成させ、公開するや大ヒットとなり数々の映画賞を受賞するが、ガンのため33歳の若さで夭逝してしまう。

 金子正次のドキュメンタリーのような、伝記のような実録劇のようなお話を「サラリーマン金太郎」の高橋克典が見事に体現しています。



 
 小劇団エイトマンの座長兼主演役者、脚本家なども務める金子正次(高橋克典)には夢があった………



 その夢とは、自らが主演を務め、脚本も作成して全国公開させる壮大な夢を描いていた。その映画のタイトルは「竜二」である。







 金子は劇団エイトマンにいる仲間たち田中(香川照之)石原(木下ほうか)を巻き込み早速徹夜して完成させた「竜二」の脚本を芸能界へ売り込む。不敵なほど自信がある金子は高校時代のマブダチ羽黒大介(本当は松田優作)を介して映画の企画を売り込むがにべつもなく断られる(´・ω・)
 
 「日本じゃロッキーは永遠に作れないな……」
 と金子はぼやく。



 いや、単純に断られた訳ではない。脚本は評価されたのだが、無名の金子を主演にと言うのにはダメ出しされたのである。主演を羽黒大介にするんだったら考えてもいいよ~んみたく言われアッタマきて羽黒に食ってかかるがボディーブロー一発で簡単にのされてしまう(;つД`)




 金子はならばと自主映画として公開するために映画作成に取りかかる。監督は田中でプロデューサーは石原で決定する。資金繰りは田中の実家からの借金と石原に出資してもらいメドをつける。最初は監督をするのに抵抗があった田中は金子の嫁さん幸子に金子の病状を伝えられ監督を引き受けてくれる。
 事はどんどんと進んで行く。若い素人のスタッフに、お笑い芸人に準主役の直(映画では桜金造)役に頼んだり、主演女優役(映画では永島瑛子、こちらは奥貫薫)を金子に進んで引き受けてくれたりして主演女優真理子役も即決定する。竜二の娘役には幸子のたっての願いで愛娘のななを抜擢する。

 なかなかスタッフ陣の意見がまとまらないなか映画はクランクインする。ドキュメンタリーを撮るのが専門な田中はなかなかうまく指示が出来ない。竜二になりきっている金子はもう誰の耳も入らないぐらいにのめり込んでいる。石原もみんなの意見をとりまとめるのにヤキモキしている。スタッフが何人か離脱して行くなか、田中はもじもじしてしまっているので石原が現場を代わりに指揮ってしまう。
 


 金子は役者に専念するつもりであったがしょぼくれている田中に「田中‼️口出さない約束だったけどよ~お前死ぬ気で来いよ❗❕資金集めナンザ監督の仕事じゃね~だろ❗」と檄を入れる。





 家でのシーンが撮り終わり、金子は奈々を抱き抱え「人間はな…いつかはいなくなる。だからな何かを残さなければならないんだ。わかるか?奈々…ちょっち難しかったかな…」と語りかける。幸子と田中は静かに見守る。

 そして撮影も佳境に入り、真理子役の奥貫嬢と克典の濃厚なラブシーンが撮られることになります。真理子役になりきる前に奥さんである幸子と会話をして「竜二」に惚れ込んだ経緯とベッドシーンを見学して行ってねと言う。
 幸子は遠目に見守りながらじっくりと拝見する。




 そしてとうとう完成させた「竜二」をスタッフ一同でチェックする。そして愕然とする。あまりの出来映えの悪さにみ~んなすっかり閉口してしまっている。田中は監督を辞退する。そして後任監督を石原に依頼し、もう一度主要シーン全てを撮り直すことになる。金造さんも呆れ返っている。撮り直しのために金子と石原は再び資金集めに奔走する。金子はしかもちゃっかり真理子役永島瑛子嬢とデキテいて自宅へ帰らなくなっていた。



 田中は制作費を返さないでいいから、との誓約書を石原に渡して監督を正式に石原に引き継ぐ。クレジット名から削除してもらう。今の出来映えではダメダメ(*_*)なので、リテイクと編集のやり直しをする。


 紆余曲折の末に全ての撮り直しを終えて、どうにか「竜二」を完成させる。そして湯布院映画祭で上映され、観客から大絶賛と拍手喝采の嵐であった。金子は少々照れ臭そうではあったがはにかみながらも喜ぶ。だがこの頃、金子の病状は悪化の一途を辿っていたのである‼️



 金子はソッコー病院にかつぎ込まれる。重篤状態の金子はもうほとんど意識は無かった❗幸子が手を取って看病している。元エイトマンの演出家門田や、羽黒大介も駆けつけてくれていた。金子に皆が必死で呼びかけるが金子は「ブハッ」と吐血してしまう❗❕❗

 

 新宿の街の雑踏をゆっくりと颯爽と白スーツで練り歩く金子正次(高橋克典)の姿はまさしく1983年公開時の「竜二」の姿を再現していた…………………


 金子、田中、石原やその他スタッフ、妻幸子もろもろの全ての熱意と執念によって完成させた「竜二」は湯布院映画祭の上映の後に全国公開され、金子正次は日本アカデミー賞新人俳優賞を獲り、ブルーリボン賞も受賞する。
 金子正次が「竜二」の次の次回作としてしたためていた脚本作「チ・ン・ピ・ラ」や「獅子王たちの夏」などは別の役者さん(柴田恭兵、哀川翔)で公開される。





 物語はいちおう元ネタに「竜二 映画に賭けた33歳の生涯」がベースになっていますが、単なるドキュメンタリー再現フィルムだけに留まらずに熱き男たちの物語に昇華させた傑作であると思います。「竜二」と合わせて一気観するとまたなかなか映画製作の裏現場的な姿や金子の苦労と執心がひしひしと伝わって来てまたいいかと思います。高橋克典の金子正次の生き写しっぷりや脇を固める香川照之、木下ほうか、高杉亘、奥貫薫、石田ひかりも素晴らしい🎵🎵久々にエエ日本映画を観れたかなと思っております。



 9月に入り、千葉県に突入した台風の影響で未だに停電が復旧していない地域もあって大変ですが、幸いワテクシの住んでいる地域は回復、復旧しているのでブログをアップ出来ますが、まだ復旧出来ていない地域の方々はさぞかし不自由なさっていて大変かと思われます。一刻も早い復旧を望みます(*^^*)