長距離移動のスノーハイク | 時々、TDRの風景観察

時々、TDRの風景観察

TDRの風景観察から始めたブログですが、
年パス更新を停止中の為、ブログタイトルを「時々・・・」に変更しました。

またまたスノーハイクしてきました。

今回は冬季閉鎖されている林道を延々と歩いて尾瀬の玄関口の一つである鳩待峠まで行き、

そこから至仏山に向かって歩いてみようと考えました。

 

ですが、結果としては山頂までの道のりは険しく、

1866mの三角点があるピークまで行って帰ってきました。

 

今年は雪が少ない事もあり、

通常ならば除雪されるまで通行困難となるような積雪量のはずの林道は、

歩くのにちょうど良いくらいの雪の量なのではないか? という読みと、

山スキー界の中では超有名人(と勝手に思っている)金沢在住の医師、H先生のご一行様が

3連休中に至仏山に登って山スキーをしてきたというレポートを見つけて、

なんとなく雪のイメージが掴めたので突撃する事にしました。

 

高気圧に覆われて天気が良いという事も理由の一つでした。

前日のTVの天気予報ではかなり気温が上がって、

前橋は20度まで気温が上がる春のような温度になるという事だし、

気圧配置も申し分無さそうだったので、チャンス!という事で。

 

ただ、「天気とくらす」の天気予報が「C判定」(登山に不向き)となっており、

そこが気掛かりでしたが、ダメな時はそれなりに考えようという事にして、

またまた道の駅白沢で車中泊仮眠して片品村に向かったのでした。

 

 

 

今回のスタート地点は戸倉の冬季閉鎖ゲート

この写真は戻ってきてから撮ったので青空ですが、

到着したのは早朝4時だったので真っ暗でした。

ただ月も出ていなくて、星がものすごくよく見えました。

 

日中、作業がある事も十分考えられるので邪魔にならないように

除雪されていた駐車スペース的な場所は避けて、路肩に車を停めさせて頂きました。

ゲートを開ける可能性もあるので、ゲート前も避けました。

 

 

身支度整えて、ライトを装着して出発しましたが、

林道脇には街灯類が全く無く、

星の輝きと雪の白さでほんのり周りの景色が見えるし、

スノーモービルのキャタピラ跡をトレースすれば歩けるので

ライトを点けずに歩き出しました。

 

「ナイトハイクのススメ」という本を読み、

ちょっと興味があったので真似してみました。

 

隣の尾根にあるスキー場の常夜灯の灯りが樹々の隙間からほんのり漏れてきて、

雪の積もった林道の上に淡~い影を映し出している様子がとても綺麗で

すごく新鮮な風景を見れました。

普段、明るい灯りの中で暮らすのが当たり前となっているので、

カッコ良く言うと、五感を取り戻す というような新しい感覚を感じられました。

 

 

 

歩いているうちに徐々に星が見えなくなって来て、

全体がうっすらと明るくなり始めました。

 結局、ライトを使う事は無く、プチナイトハイクの楽しさは実感出来ました。

条件次第では面白い遊び方であると感じました。

 

闇を楽しむというのでしょうか。

キャンプなどでも積極的に暗闇を楽しむようにしたいですね。

感覚を研ぎ澄ます という事は重要ですからね。

 

 

林道の一部では、風の影響で波打つ様な積雪状況となっています。

 30代の頃、1月にこの地に挑んだ事がありましたが、

こういった感じで更に大きく高い雪の壁が連続して立ちはだかっていて、

その壁に対応出来なくて撤退した事がありました。

その時の経験があり、今年くらいの雪の量ならあの壁は無いのでは!と思っていましたが、

地形的な影響なのか、風の影響を受けて、大きな吹き溜りが出来るのは避けられないようです。

何ヶ所かそう思える場所がありました。

 

 

スノーモービルの跡が無ければ なんて事も思いますが、

この踏み跡がある事によって歩き易くなっている事は否定できません。

スノーモービル跡は、折り返した1866m三角点がある辺りまでありました。

恩恵を被っている以上、偉そうな事は言えませんが、

何の目的なのかなぁと気になりました。

鳩待峠より上のモービル跡は間違いなく「遊び」の感じでした。

 

 

 林道脇には穏やかな雪景色が広がります。

 林道は、ガードレールが丁度埋まるくらいの積雪です。

 

西側の山々が紅く染まりました。

モルゲンロート!!

山がよく見える場所に着いた頃には色付きは終わってしまいました。

 

 

鳩待峠への分岐点、津奈木橋に到着!

ここまで6.5kmくらい

 

ここまではチェーンスパイクで歩いてこれましたが、

ここからはスノーシューに履き替えます。

林道ではなく、津奈木沢の左岸を沢に沿って鳩待峠に向かいます。

 

ただ、雪質は期待していたパフパフの雪ではなく、

表面バリバリで、踏み込むと沈み込む ほぼ モナカ 。

それでもスノーシューは面積が大きいので

時折、バリバリに凍った部分が引っ掛かったりするけれども、

沈み込むような事は無く、順調に進めます。

 

スキーにシールを付けて登るよりも確実にラクでした。

ラク というのか、一歩ずつ確実に進めました。

 

 

ようやく陽も差し込んできました。

 

この笹に、規則正しく並んだ穴が開いていました。

自然現象でこうなったのか、何かしらに開けられたのか、

どうしてこんな風になったのでしょう??? 

不思議です。

 

津奈木沢に沿って登って来ると、

林道が鋭く曲がるヘアピンカーブのところにぶつかるのですが、

最後の林道にぶつかる部分がかなりの壁で、

いつも苦労させられます。

 

今回ももれなく壁に仕打ちを受けたのですが、

スキーに比べて長さが短いという事もあって、

小回りが利くので意外とすんなりと登れました。

ただ、周りの木々に助けられているのは確かです。

 

 

再び林道に出て鳩待峠を目指します。

またまた、モービル跡を追うように進みます。

 

影自撮り

 

鳩待峠に到着!

 

至仏山が良く見えます。

この時点で、山頂に行くのは難しいなと感じ、

良い所まで行って折り返す事を決めました。

 

 

尾瀬の看板が埋まりかけてます。

通常なら埋まってるんでしょうね。

 

 

鳩待峠に骨組みだけの謎の建物がありました。

しかも赤い鉄骨なので良く目立ちました。

 

帰ってきてから調べてみたら、新しい休憩所のようです。

来年(2025年)の5月に営業開始のようです。

 

 

ここからは至仏山への登山ルートをたどります。

尾根に沿って進めばいいのでルートとして難しい事はありませんが、

問題は雪質です。

 

表面がだいぶ柔らかくなってきましたが、まだまだ ややモナカ状態です。

森の中のどこを通っても、尾根に乗っていれば問題無いので、

進む方向の選択肢は無限にある状態ですが、

完全にトレースが無い場所を進もうとするとそれなりに体力を消耗します。

 

となると、これまでのようにモービルのトレースを進む方が体力的にラクなので

トレースを選んでしまいます。

スキーのトレースよりも、重量があるモービルのトレースの方が

面積的にも大きく、圧雪もされているので

ありがたく使わせてもらいます。

 

見た目としてはトレースなど無い、

まっサラの雪面を歩く方が断然良いに決まっていますが、

体力的に余裕がある訳ではないので

迷わずそこにある物を利用させて頂きます。

綺麗事など言う余裕はありません。 キッパリ!!!

 

 

変わった形の木シリーズ

 

モナカ に苦労したと思われるウサギの足跡

 

モービルのトレースと自分が登ってきた足跡

 

何かしらの動物の足跡芸術

 

枝の上に積もった雪

こうして冬場の 雪 VS 枝 の戦いが行われているんですね。

 

枝に積もった雪を反対側から撮ってみたら

 

燧ケ岳が見えてきました。

 

ちょっと上に登って、眺めの良いところから燧ケ岳を臨みます。

 

 

 

1866.9mの三角点があるピークの手前の急斜面

夏道はこの急斜面は通らずに左を巻いて、

ピークは通らずにスルーしていきます。

 

振り返って、アヤメ平や日光連山を遠くに臨みます。

急斜面にもモービルのトレースがあるので、

内心ホッとしながら、辿らせて頂きます。

 

ほぼ1866.9mのピーク

樹林帯の中は風の影響が少ないせいか、かなりのモフモフ

 

展望台のように開けた絶景ポイントがありました。

横方向に通るスジがあるように見える武尊山。

この前スノーハイクを楽しんだ場所は左側のなだらかな尾根あたり。

 

尖ったように見える笠ヶ岳

この写真内の尾根は、どこも滑り降りるのに良い斜面のように見えます。

地形図的にも危険個所が少なそうで、

先人達がトレースを刻んだのではないかと妄想します。

 

なかでも、手前を横切っている尾根は、

地図上で 1935mから1766mにかけての尾根で、

最終的に井戸沢の右側に下りる尾根です。

この時期にしか行けない、この時期だから行ける

楽しそうな尾根がたくさんある地域で、非常に興味をそそられます。

 

 

武尊山の左奥には赤城山

 

更に左に向くと日光連山

真ん中あたりに見えるのが戸倉スキー場で、

あの辺りから歩いてきました。

 

 

時間的にもこの辺りで折り返すのが得策と判断して、

休憩するのに良い場所(眺めの良い場所)を捜します。

 

 

至仏山と燧ケ岳、

尾瀬の両雄が見える良い場所が見つかったので

そこで山を見ながら休憩します。

 

 

雪はモフモフで、コンディションは最高状態

ただ、休憩するにはモフモフ過ぎて、地ならし(雪ならし)が必要。

スノーシューで地団駄を踏むように円を描きながら

座る場所を作って行きます。

 

スノーシューを脱いで、

座っても沈み込まないようにお尻の下にスノーシューを敷いて休憩します。

考えてみたら、途中で着替えたり、スノーシューを装着したりでの停止以外、

全くの休憩無しでここまで来てしまいました。

 

そして、定番のおしるこ飯! (笑)

今回、失敗したなと感じたのは、

はちみつだとか、コンデンスミルクなど粘着性の高い甘い液体を持ってこなかった事。

これだけ綺麗(?)な雪が豊富にあれば、

カップに雪をすくって、かき氷のように甘いものを回しかけて食べるという

この時期ならではのデザート(?)を食せなかった事。 (苦笑)

 

おしるこ以外にも固形物は頂きました。

ソーセージ、カニカマ。

 

すばらしく貧弱な食生活!!! (笑)

 

 

 

一休みして回復した後は帰路につきます。

 

金沢からわざわざやってきたH先生達が滑り降りたであろうトレースを目安に

登山ルートではない尾根を下降します。

地形図的にも急斜面などはなく、等高線の幅が綺麗に揃っていて

良い斜面である事が判ります。

 

最悪、3日くらい前に付けられたであろうトレースをたどれば

林道に出られるはずなので、気分的には大きな余裕があります。

天気も良いし、余裕はあるに越したことはありませんからね。

 

登ってきた林道を左手に見つつ、この尾根をまっすぐ下りてく感じです。

 

下りはやっぱり早いです。(笑)

上りに比べて歩幅も広くなるし、若干滑ったりもするし。

 

予想通り良い斜面です。

表面のクラストは完全に溶けて、やや重雪となってます。

幅が太目のスキーならば快適にツリーラン出来そうな良い斜面。

 

下るのは早いので、燧ケ岳もあっという間に見えなくなります。

 

スキーでの下りは重雪対策の技術が要りますが、

スノーシューはあまり気にせずにガシガシ進めます。

意外とこれが楽しい。

スピード感は無いものの、遊びとしては十分楽しいので、

スノーシューを買って良かったなぁ~ としみじみ感じました。

 

正直、思っていたよりも数段上のレベルで機動力があり、

行動範囲を広げられる可能性を秘めています。

 

あとは下りの技術を身につける事。

うまく滑らせて、そこそこコントロールが出来れば

下りの機動力も上がります。

 

 

尾根を下ってきて最後の最後、

林道に合流するあと数メートルという場所で手抜きをして谷を下りたら

ズッポリハマりました!

大したことは無かったので問題なしですが、

谷なので、浮いている可能性がありますからね。

 

無事に津奈木橋にたどり着けました。

 

津奈木橋からの周回ルートはこんな感じです。

 

朝、津奈木橋から歩き始めた時の自分の足跡。

 

 

あとはまた6.5kmの林道を帰るだけ。

 

来た時は温度的に雪が締まっていたのでチェーンスパイクでしたが、

帰りは雪が緩んで踏み抜きもあるかと思ってスノーシューのまま下りました。

 

暖かくなって、林道脇の斜面には雪が上から転がって出来た 雪まくり が出来てます。

なぜか空洞

じゃんふさんなら、お人形をこの中に入れて、かまくら状態にして撮影しますね!(笑)

 

 

こちらは良い具合の 雪巻き

なかなかの芸術です。

 

いろいろと考えながらひたすら歩いて、

戸倉のゲートに無事に戻ってきました

 

 

林道歩きは長かったけれど、この時期ならではの尾根を下りられて、

天気にも助けられて、とても楽しいスノーハイクでした。

 

楽しく下りられそうな尾根がまだまだありそうなので、

また来てみたいなと思いました。

 

結果的にみると、天気とくらす の C判定はガセだったのか!

と思うくらいに良い天気でした。

一時風が強かった事もあったので、そのあたりが C判定 だったのでしょうね。

 

長かったけれど、面白かったスノーハイクでした。