京都市立伏見工業高等学校ラグビー部とその監督で元ラグビー日本代表フランカーの山口良治をモデルとして、作家・馬場信浩が執筆したノンフィクション『落ちこぼれ軍団の奇跡』(おちこぼれぐんだんのきせき)を基に制作されたフィクションドラマである。
高校ラグビー界で無名の弱小チームが、ある一人の教師が赴任して以降、様々な困難を乗り越えつつ数年で全国優勝を果たすまでの軌跡を描いている。
「この物語は…」のナレーションで始まる、1980年代の大映ドラマを代表する作品の一つ。伏見工業の所在地は京都府京都市であるが、本作では神奈川県の「川浜市」[注釈 1]という架空の地域[注釈 2]が舞台となっている。制作会社であった大映テレビは当時、東京都府中市・中河原にスタジオを構えていたため、ロケ地は川崎市に加えて府中市と多摩市がメインとなった。グランドの撮影は厚木市にある神奈川工科大学(当時は幾徳工業大学)のグランドで行われた。
初回放送年であった1984年は、日本で少年の非行や校内暴力が社会問題になっていた時期であり、オープニング映像で校舎内の廊下をバイクで走ったり、窓ガラスを破るなどの場面に表現されている。
初回の視聴率は6.9%であったがその後は徐々に視聴率を上げ、後半では20%を超えることもあり、最終回の2日後(月曜日)に再放送(関東地区)が開始されるほどの人気作となった。その再放送でも、視聴率は20%台を記録した[1]。
本作の影響もあって、1985年度の全国の高校ラグビー部の入部希望者数も増加、同年の新規登録チーム数も前年比1.5倍の増加率となった[1]。8年後の1993年においても、あるラグビー雑誌の調査で、高校の全国大会に出場した選手のうち36人が、本作をきっかけにラグビーを始めたという回答のデータが残っている[1]。