視察報告~豊田市編~(長文) | 三宅秀明オフィシャルブログ「“おかえりなさい”のまちづくり」Powered by Ameba

視察報告~豊田市編~(長文)

【豊田市の概要】

(昭和13年、トヨダ自動車工業(株)挙母工場が
論地ヶ原(現トヨタ町)に完成、操業開始。)

昭和26年3月、「挙母市(ころもし)」として市制施行。

昭和31年9月、西加茂郡高橋村と合併。

昭和33年、挙母商工会議所から市名変更の請願が
提出され、一時は賛成と反対で市を二分するほどの
論争となるも、

昭和34年1月、市名を「豊田市」に変更。

昭和39年3月、碧海郡上郷町と合併。

昭和40年9月、碧海郡高岡町と合併。

昭和42年4月、西加茂郡猿投町と合併。

昭和45年4月、東加茂郡松平町と合併。
(この時点で市域は290.12k㎡となる。)

平成10年4月、中核市に移行。

平成17年4月、西加茂郡小原村・藤岡町、東加茂郡旭町・
足助町・稲武町・下山村と合併し、市域は918.47k㎡、
人口は約41万人となる。

*なお、合併時は愛知万博(愛・地球博)の開催期間中であり、
 新・豊田市は万博期間中に発足した。


人口:423,723人(平成22年5月1日現在)
   [男:221,475人/女:202,248人]

世帯数:165,817世帯(平成22年5月1日現在)

面積:918.47k㎡(愛知県全体の17.8%)


【本市の概要】(参考)

人口:83,674人(平成22年4月30日現在)

世帯数:39,534世帯(平成22年4月30日現在)

面積:14.88k㎡



豊田市は言わずと知れた「クルマのまち」として、トヨタ
自動車の発展とともに成長してきました。

私的団体の名を冠する自治体名は、他に奈良県の天理市を
数えるのみとなっています。

そうしたまちの特性を反映し、市内に1,392ヶ所ある
工場(従業者4人未満を含む)のうち自動車関連工場は
455ヶ所で全体の32,7%を占め、そこで働く従業者
数は91,835人。
これは、市内の工場で働く110,240人の内83.3%
という高い割合です。(平成19年工業統計調査)

また、豊田市における平成19年の製造品出荷額等は
13兆2,480億円にものぼり、全国第1位。
ちなみに、自動車関連工場のみに絞ると製造品出荷額等は
12兆5,931億円となり、全体の95,1%を占めます。

こうした由来、そしてベビーブームなどの要因が重なって
子供人口は増加していくこととなり、これらの状況に対応
するべく、昭和41年、4・5歳児の保育園・幼稚園
全員就園施策が定められ、昭和45年には保育園・幼稚園の
人事交流がスタート。

以降、漸次制度改正などを行い、平成20年4月、保育園
保育料と公立幼稚園授業料、保育園及び公立幼稚園の職員
配置基準を統一し、保育園と公立幼稚園の名称も「こども
園」に統一しました。

*主な取り組みとしましては、

(1)保育園における私的契約児の受入
   4・5歳児について、「私的契約児(保育園に入園する
   保育に欠けていない児童)」の受入

(2)市立の幼稚園・保育園の人事交流と職名統一
   幼稚園・保育園間の配置転換や研修の合同実施。
   平成15年度より、幼稚園「教諭」と保育園「保育士」の
   職名を豊田市方式として「保育師」に統一

(3)保育カリキュラムの統一
   『豊田市保育園 保育計画・指導計画』と『豊田市
   幼稚園・保育園 教育課程』の整合を図り、平成
   17年3月豊田市社会部子ども課において『豊田市
   保育課程・指導計画』を編成。
   平成20年3月には、豊田市子ども部保育課において
   『豊田市 保育課程・指導計画』を編成。

(4)所管部署の統一
   平成13年度、幼稚園と保育園を所管する部署を
   統一し、市長部局(社会部)に「子ども課」を創設。
   平成17年度の組織改編において、子ども課は
   次世代育成課、子ども家庭課、保育課の3課を有する
   「子ども部」となり、保育課が幼稚園と保育園を所管。

(5)幼保一体化検討部会の開催
   平成17年度、国の総合施設モデル事業を市立渡刈
   保育園で実施するとともに、幼保一体化検討部会を
   設置。
   この部会は、学識経験者、保護者代表、公募市民、
   幼稚園及び保育園の園長代表など9名の委員で構成
   され、平成17年10月から平成18年3月までに
   計6回の審議を開催し、「幼保一体化の推進」や「施設
   名称、保護者負担、職員配置基準の統一」などといった
   平成20年度からの幼稚園と保育園の一体的な運用に
   かかる基本的方針の整理が行われた。
      
以上の5点が挙げられます。

これまでの記述にもありますように、豊田市が行っている
のはあくまで「幼保一体化」であり、いわゆる「幼保一元化」
ではありません。

従いまして、担当の方も危惧しておられましたが、今後の
国の動き次第では制度変更を余儀なくされる虞もあります。

また、こうした強い施策を実行しているものの、ごくわずか
ながら待機児童が増加傾向にあることも懸念材料です。

豊田市と比較し、人口で約5分の1、面積では約62分の1
という規模の本市において、どのようなかたちでこの政策を
取り入れるのがよいのか、現場にも足を運ぶなどしながら
一層の研究を重ねてまいります。


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