(捲土重来ならず)

 14日(日)行われた第47回総選挙で、私は、山口県第2区選挙区で57,814票を獲得したものの、次点で落選しました。重複立候補していた比例代表でも惜敗率59,72%に止まって比例復活当選を逃し、捲土重来はなりませんでした。

 この結果についてお詫び申し上げますとともに、苦しい戦いの中で御支持・応援をしていただいた皆様に、心から感謝申し上げます。

 この結果は、大変悔しいものです。一昨年4月の参議院山口選挙区補欠選挙が終了した後から始めた平日朝の駅前等での辻立ちも、総選挙告示前に281回を数え、捲土重来の意思を強く示してきたのですが、残念ながら実を結びませんでした。

(突然の大義なき解散・総選挙)

 今回の解散総選挙は、野党の現職議員や私たちのような候補予定者にとっては、本当に突然の出来事でした。今年10月に山口県に応援に入ってきた岡田克也・衆議院議員(民主党代表代行)ですら「今年中の解散はあり得ないだろうが、来年の通常国会明けの夏から秋にかけてはあり得る。」と述べていたほどです。

 選挙期間中に強く感じたことですが、安倍総理は、総選挙に勝つための戦略をかなり周到に練ってきたように思います。自ら「アベノミクス解散」と銘打って、「アベノミクスが正しいのか、正しくないのかについて国民の信を問いたい」と言っていましたが、この理屈は「解散の大義」にはなり得ません。

(総理がアベノミクスでやるべきこと)

つまり、「アベノミクスの成果が、未だ地方や中小零細企業・庶民に行き渡っていない。未だ道半ばだ。」と言うなら、安倍総理のやるべきことは、残された2年間の衆議院議員の任期期間中に、成果が出るように最大限の努力をすることです。その結果を踏まえて、総選挙に臨むべきでしょう。

そうしないのは、安倍総理のやるべきことをやらないで、国民にアベノミクスの成否の責任を押し付けるというものです。1年後、2年後にアベノミクスの成果が出ない場合に、「国民が選んだ結果なのだから、責任は国民にある。」とでも言いかねないのではないでしょうか。

(アベノミクスを問う総選挙で低投票率が目論まれる)

アベノミクスの正否を問う総選挙は、「解散の大義」に値しないだけでなく、国民の関心を余り呼ばない、或いは、国民が判断しにくい争点であるために、低投票率を目論んで行われたように思われます。今回の総選挙の低い投票率が、その戦略に、野党も、国民も載せられたことを如実に示しています。

(懸念される総選挙後の議論)

アベノミクスの問題の外に、今回総選挙の結果として懸念されることは、安倍政権のこれまでの不人気な政策や不祥事について、「総選挙に勝ったのだから、国民は納得してくれたのだ。」と言って、「問答無用」の議論封じが行われることです。「免罪符を得た。」というような主張がなされそうです。

そのような主張がされそうな事案には、例えば、①憲法解釈の変更による集団的自衛権の容認、②特定秘密保護法の今月10日からの施行、③地元住民が消極的な原発再稼働、④普天間基地の辺野古への移設(沖縄県知事選挙結果の帳消し)、⑤安倍内閣閣僚達の「政治とカネ」などがあります。

(私の今後)

ところで、私の選挙結果は、上記の通り厳しいものでしたが、私や民主党の信頼回復の兆しをうかがわせるものだったと思います。前回総選挙に比べて7%ポイント近く投票率が下がり、相手候補の岸信夫氏が得票を8,961票減らしている中で、私は得票を4,321票増やしました。

この兆しをどう活かすかが今後の課題です。私自身は、今回総選挙に当たり「政治生命を賭けて戦う」と言明して戦いましたので、それを踏まえて今後のことを考えることになりますが、少なくとも、次回総選挙は「政権交代をかけての総選挙」となるよう、「もう一つの政権担当能力のある政治勢力の形成」に向けて貢献していきたいと思っています。

(了)