(滋賀県知事選挙の結果)

13日に投開票が行われた滋賀県知事選は、無所属新人で元民主党衆院議員の三日月大造氏(43)が、自民党・公明党推薦の無所属新人候補と共産党推薦の無所属新人候補の2人を振り切り、初当選しました。

(選挙戦の構図)

 三日月氏は、2期8年務めた嘉田由紀子知事の後継指名を受け、推薦は受けてはいませんでしたが、民主党から事実上の支援を受け、推薦を受けた連合滋賀からも組織を挙げての応援を受けたそうです。一昨年の総選挙以来支持が低迷している政治勢力からの応援だったわけです。

他方、今回選挙では、高い政党支持率を有する自民党や固い支持基盤を有する公明党が推薦する候補者は、「日本維新の会」代表の橋下徹大阪市長も応援に来ても落選しました。橋下市長の人気が高いと言われる近畿地方であるにもかかわらず、その成果がでなかったわけです。

(選挙戦の争点が政策へ)

これらのことを考えると、選挙における投票が、ようやく、政党や「党の顔」という「カンバン」から、政策という「中身」によって判断されるようになって来つつあるように思います。今まで、原発政策についても、集団的自衛権問題についても、国民の多くが支持する政策の方向性が、必ずしも、選挙結果と一致しませんでした。

ところが、今回の滋賀県知事選挙では、政策の支持状況と選挙の結果が一致したのです。三日月氏は、原発に関しては「卒原発」で嘉田由紀子県政の継承を訴え、選挙期間中に閣議決定された「集団的自衛権」問題に関しては「性急な政府決定に強く抗議」を主張しました。この政策スタンスが有権者から支持され、当選したのです。

(今後の政治の流れ)

我が国の政治においても、ようやく、政策や政治勢力の二極化の方向性というものが再現しつつあるように思います。それが、非自民党的勢力が一定の力を持ってきた滋賀県だからできたのか、それとも全国的な傾向になって来るのか。今後行われる福島県知事選挙、沖縄県知事選挙で、その流れが見えてくると思います。

(了)