(教科書での領土問題の取扱い)

 文科省が昨日(4日)、来春(2015年度)から使用する小学校教科書の検定結果を公表しました。社会科の教科書は、下村博文・文科相が「領土をきちんと教える」と言ったことを踏まえて、領土問題について内容の変更が行われています。

現在の教科書で領土問題に触れているのは、小5社会の1点だけだったそうですが、今回の検定結果では、社会科を発行する4出版社すべてが「竹島」「尖閣諸島」について、5年か6年の教科書で記述したそうです。

そして、その内容は、例えば、「竹島は日本固有の領土ですが、韓国が不法に占拠(せんきょ)・・・」とか、「尖閣諸島も日本の領土でありながら、中国が自国の領土であると主張・・・」とか、政府の見解だけを記述した教科書が合格したそうです。

(日本政府の思い)

 日本政府の立場からは、「韓国の教科書では、竹島(韓国名では「独島」)は韓国の領土と記述しているし、中国の教育でも、尖閣諸島(中国では「釣魚島」)は中国の固有の領土と教えているのだから、日本も自国の見解だけを教えて何が悪い。」と言いたいのでしょう。

(どんな教育を受けたいですか)

しかし、私や皆さんが教えられる立場であるならば、領土問題についてどんな教育を受けたいでしょうか。一方的に、日本政府の主張だけを教えられて納得や満足ができるでしょか。教えて欲しいことは、色々な事実であり、幅広いモノの見方だと思います。

そのことは、我々日本人に限ったことではないと思います。私や皆さんが、もし、韓国人であったり、中国人であったりしても、同じでしょう。自分の国の政府の一方的な見解だけを教えられて納得や満足はできないと思います。

「教育」は、それぞれの国の政府にとって都合の良いことを教えるというものではなく、教えられる人のために教えるものだと思います。私自身は、「豊かな知識を習得し、幅広い見識を身に付けるための教育」を受けたいと思いますが、皆さんは如何ですか?

(了)