橋下徹前市長の辞職に伴う大阪市長選は、本日(23日)投開票が行われ、橋下氏の再選となりましたが、投票率は、23・59%と過去最低を記録しました。「選挙に勝てば、それがすべて」との態度をとってきた橋下氏は、この低投票率をどう受け止めるべきなのでしょうか。

そもそも、橋下市長が辞職をして市長選挙に持ち込んだのは、大阪都構想について大阪市議会の協力が思うように得られなかったため、自分(橋下)の主張が有権者に支持されるか、市議会の主張が有権者に支持されるか、選挙でその決着をつけようとしたところにあります。

しかし、「たとえ橋下氏が出直し市長選挙に勝っても、事態は何ら変わらない」という実態が有権者に分かってしまったのでは、選挙が盛り上がらないのは当然です。マスコミを利用して、派手なパーフォーマンスや刺激的な言葉を有権者に投げかける橋下氏の選挙手法は、今回は通じなかったのです。

昨年9月の堺市長選挙では、橋下氏が応援する、大阪都構想を進めようとする市長候補が敗れ、また、今回は、大阪都構想の是非を争点とした自らの市長選挙が過去最低の投票率に終わったことで、橋下氏が政治生命をかけて進めようとする大阪都構想の支持が強くないことがはっきりしました。

こうなったら、橋下氏は、自らの政治家としての存在意義は何なのか、を自らに問いかけてみるべきです。選挙至上主義を唱えてきた橋下氏が、自分の主張する政策が選挙で支持されていない状況にケジメがつけられないなら、橋下氏は、所詮、「ポスト欲しがりの目立ちたがり屋」でしかなかったということでしょう。

橋下徹大阪市長が自らの主張を貫くなら、自らの進むべき道は、政治家を辞めるのが筋ということではないでしょうか。

(了)