(「原発ゼロの会」の会合での問題提起)

昨日(6日)、超党派の有志国会議員で構成される「原発ゼロの会」(共同代表は、河野太郎(自民党)と近藤昭一(民主党)の両衆議院議員)が、福島第1原発の事故原因の究明状況を調査する会合を開催し、私も、前衆議院議員という立場で出席しました。

この会合には、国会事故調査委員会(以下、「国会事故調」と略称)の委員であった田中三彦氏(科学ジャーナリスト、元原子炉圧力容器主任設計者)が出席をされ、国会事故調での調査経過とその提言内容、その後の原子力規制委員会での事故原因の調査状況について報告、問題提起をされました。

(国会事故調の原因調査結果)

国会事故調がわずか6か月間しか時間がなかった中で調べた現場的事実関係(疑問点、究明すべき点等)では、福島第1原発1号機の非常用電源喪失の直接の原因は、津波ではなく、地震動など他の原因の可能性があり得ることを示していたそうです。そして、そのことを更に調査するために、国会事故調は「独立調査委員会の設置」を提言していました。

(原子力規制委員会の「検討会」の問題点)

しかしながら、現在実際にこの事故原因を調査しているのは、原子力規制委員会の中に設置された「福島第1原発における事故の分析に係る検討会」(以下、「検討会」と略称)という組織で、田中氏を始め、本日の会合に出席した人たちの多くは、その組織の設置根拠、組織構成メンバーの中立性、調査実施方法等について、疑問視していました。

国会事故調が直接の法的根拠をもって設置されていたのに対し、検討会は、その設置について直接の法的根拠を有していません。その故もあって、構成メンバーの選出基準もなく選出の妥当性についても外部チェックはありません。田中氏によれば、メンバーの全員が「原子力を否定しない人たち」だそうです。

検討会の権限や調査の進め方も問題です。権限については曖昧なままで調査の受忍義務が定められてもいませんし、田中氏によれば、検討会の調査、分析、検討は極めて独断的で権威的なもので、国会事故調の元委員に対する問合せも全くない状況だそうです。本会合での原子力規制庁の担当官も、この辺りの問題意識をほとんど持っていませんでした。

(独立調査委員会の設置が必要)

検討会の調査・検討状況や東京電力自身が行っている調査・検討結果が、この会合で報告されましたが、「今回の原発事故の原因は津波である」という結論を出そうとして調査が行われている、という印象を強く受けました。やはり、調査結果について国民が信頼感を持つためにも、国会事故調が提言した「独立調査委員会」の設置が必要です。

(了)