(ふるさと基地懇)

 今月11日から13日までの3日間、私を団長とする「ふるさとから基地問題を考える懇話会」(略称「ふるさと基地懇」)が沖縄県の名護市、宜野湾市等を訪問します。この「ふるさと基地懇」の訪問団には、私の他に、山口県議会議員有志1名及び岩国市議会議員有志4名が参加します。

 この「ふるさと基地懇」の当面のテーマは、「地域住民の視点に立って、沖縄『普天間飛行場』移設問題と『岩国基地』問題に係る国の政策の妥当性を考える」ことにあります。特に、先月19日実施の名護市長選挙で、普天間基地の名護市辺野古地区への移設に反対する稲嶺進氏が再選されたことを、どのように受け止めていくのかが課題となります。

(空中空輸機移駐に関するこれまでの動き)

 ところが、他方で、岩国市は、「沖縄の基地負担の軽減」に資することを理由に、昨年12月27日の仲井真・沖縄県知事による辺野古埋立て承認に先立って、普天間基地に駐機する空中給油機(KC130)15機の岩国基地への先行移駐の受入れを表明しました。

 KC130の移駐については、これまで、岩国市長(昨年11月)と岩国市議会議議長等(今年1月)が沖縄県を、沖縄県副知事(今年1月)と宜野湾市長(今月)が岩国市等を訪問しています。その際、KC130の岩国基地への移駐については、岩国市側からは前向きの対応が示され、沖縄県側からはそれに対する感謝の気持ちが示されています。

(幅広い声を聴こう)

しかし、不思議なことに、この流れの中で、一度も稲嶺進・名護市長の名前が登場していませんし、名護市民や宜野湾市民の声も聞こえてきません。基地を抱える市がお互いに協力をしていくためには、移駐賛成派の人達の声を聴くだけでなく、幅広い声を聴き、それを多くの人達に知ってもらうことが必要だと思います。

もしかしたら、沖縄県民や名護市民の皆さんにとっては、「県内移設にしか過ぎない辺野古地区への移設について、岩国市の人達は、多くの沖縄の人々が辺野古移設に反対しているとは知らずに、“追い風”を送っているのではないか。」と受け止められている恐れもあります。

そうした観点から、「ふるさと基地懇」は、沖縄を訪問した時には、今まで伝えられていなかった、稲嶺進・名護市長、名護市議会有志、伊波洋一・元前宜野湾市長、宜野湾市議会有志、沖縄県議会有志等の声も聴き、その声を岩国市民の皆さんにもお伝えしようと思っています。

(基地自治体の幅広い連携・協力を)

そして、普天間基地移設問題、空中空輸機移駐問題等に限らず、基地交付金・防衛補助金等の配分・使用に関する改善策、基地を抱える自治体への国からの地元振興策の在り方、基地負担(日米地位協定問題、騒音などの環境問題等)への対応策、などについても、シッカリと意見交換し、基地を抱えるマチの今後の連携・協力の在り方を模索していきたいと考えています。

(了)