昨日(23日)、総務省が、「第4世代(4G)」と呼ばれる次世代の携帯電話通信向けに電波の周波数を割り当てるための業界ヒアリングを公開で行いました。この公開ヒアリングには、昨年12月の募集で応募した携帯電話会社4社が参加したそうです。

問題は、この周波数の割当てが従来通りの手法で、即ち、割当てに応募した企業の中から、総務省という役所が割当て先を選定していくことです。もちろん、その選定に当たっては総務省の審議会の審議を経ることになってはいますが、実質的には総務省主導です。

このような業と官の馴れ合い的な関係には、政治が不当に関与する虞があります。この虞を排除し、「国民全体の財産」とも言うべき電波を、公正、公平かつ国民の利益に資する方法で配分しようとしたのが「電波オークション」だったのです。

電波オークションは、周波数割当ての透明性・公平性の確保、電波のより効率的な利用、オークションによる財政収入の確保等が期待できる制度として、既に多くの先進国で実施されています。オークション価格が高過ぎるという弊害も克服されて来ていました。

そこで、私が総務副大臣時代に電波オークションの検討を進め、専門家が入った会議での議を経て、約1年をかけて具体案の作成まで漕ぎ着けたのです。にもかかわらず、既得権を持つ政・官・業の反対により、安倍政権の新藤総務大臣は、いとも簡単に葬り去ったのです。

この点について、マスコミがほとんど報じていなかったことも不思議です。年内にも4Gの周波数が割り当てられるそうですから、今一度、至急に電波オークションの是非について国民的議論をすべきです。さもなくば、国民の貴重な財産が恣意的に費消されてしまう虞があります。

(了)