(「東の京」と「西の京」の位置づけ)

「東の京」東京都と「西の京」山口県とで、2月中に知事選挙が行われることになりました。両者の知事選は、どんな候補者が出て、どれだけ盛り上がるかは別として、安倍首相にとっては、「絶対に負けることのできない選挙」に位置づけられていると思います。

「東の京」東京都は、文字通り「首都」であり、安倍首相が「自分の力で勝ち取った」と思っている「東京オリンピック」が開催される場所です。そんな場所の知事選挙ですから、当然に負けるわけにはいきません。

また、全国的には注目度は格段に落ちますが、「西の京」と呼ばれてきた山口市のある山口県は、「安倍首相足下の県」(山本・山口県知事(当時)の言葉)であり、そのトップを決める知事選挙で負ければ、安倍政権は、「足元から崩れる」ことになっていくでしょう。

そして、安倍首相にとって「負けることのできない選挙」であるからこそ、自民党や安倍首相サイドは、次のような小賢しい戦術を取っています。

(東京都知事選)

都知事選に立候補を表明している舛添氏は、かつて「自民党は歴史的役割を終えた政党」と言って自民党を除名されましたが、彼が世論調査で「都知事選挙で最も支持が高い政治家」と位置付けられると、自民党は臆面もなく舛添氏を支援する方針を決めています。

また、細川護煕氏が都知事選の公約の軸に「脱原発」を据えようとしていることから、安倍政権は、今月中に閣議決定することを予定していた政府の「エネルギー基本計画」の策定を、都知事選挙後に延期する方針を示唆しています。

(山口県知事選挙)

他方、「西の京」山口県知事選挙では、山本・山口県知事の辞任時期が「調整」されました。自民党が支援する知事候補者が決まるまで、山本知事の病状や復帰の見通しをひた隠しにして県民をだましつつ、知事の辞任を先送りにしてきたのです。

これは、前回の知事選(一昨年7月)で健闘した飯田哲也氏が、引き続き知事選挙に挑戦する意欲を持ち続けて県内の各地で活動を行っていたため、「飯田氏に後れを取る」ことのないように自民党サイドの候補者の目途が立つまで知事の辞任を先送りしたと言えます。

(厳しい審判が下るか)

そんな自民党や安倍首相ですから、これからも、知事選勝利のために色々な小賢しい手を使って来るでしょうが、有権者が、こんな自民党や安倍首相の実態を知れば、安倍政権にとって厳しい審判を下すこともあり得ないことではないと思います。

(了)