(「軍産複合体」を超える時代)
「軍産複合体」という言葉が、半世紀前の1961年1月、米国のアイゼンハワー大統領の米国民に向けた「さよなら演説」で初めて使われました。軍隊と産業と政治が結びついた状態を指しますが、最近の社会情勢を見るとき、「軍産複合体」を超えて、「軍に頼る社会」あるいは「軍に依存する社会」という時代を迎えつつあるのではないかと感じます。
(北朝鮮の事態)
今、北朝鮮を揺るがしている張成沢・前国防委員会副委員長の粛清も、その裏には朝鮮人民軍の崔竜海(チェ・リョンヘ)軍総政治局長がいると言われています。崔局長は、金正恩政権で金第1書記に次ぐ軍の実力者だそうですが、金正恩政権は、増々、朝鮮人民軍に支えられ、依存した政権になって来ているようです。
(中国の事態)
中国でも、中国人民解放軍の活動は活発になって来ています。沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)周辺には中国海軍が出没し、東シナ海上空には中国の防空識別圏(ADIZ)が設定され、中国軍の戦闘機や早期警戒機が圏内を巡回しています。このように中国人民軍が動いている事態によって、習近平体制が国民に支持されているとも言われています。
(我が国の事態)
我が国でも、南西諸島が敵に占領された事態に対処するためとして、高価でかつ危険性が指摘されているオスプレイを17機導入する等する、5年間24兆円規模に増大した「中期防衛力整備計画」が策定されつつあります。仮に、「軍事力による占領」という事態が生じた時には国際社会に訴える道が開かれている時代であるはずなのに、「軍事力」で対応しようとしているのです。
(岩国地域の事態)
私の地元・岩国市地域でも、厚木の空母艦載機の移駐、オスプレイの本土中継基地化、に続いて、普天間基地に駐留している空中空輸機15機の移駐が問題となっていますが、地元の政界や経済界は、これらを容認する見返りとして地元振興策を要望しています。このことは、地域の町づくりが、結局、「軍」からの支援策に依存していくことを意味することになるでしょう。
(「軍」に頼る社会の未来)
このように見ていくと、今の社会は、「軍」中心への動きが強まり、「軍」の存在なしでは成り立たないような状態になりつつあるように思います。しかし、「軍に頼る社会」や「軍に依存する社会」になることは、再び「いつか来た道」を歩むことになる危険性をはらんでいることをシッカリ認識する必要があります。
(了)