特定秘密保護法案の強行採決

(強行採決の連発)

先月16日の「今日の一言」で、「強行採決の連発か?」と題したブログを書きました。その前日(11月15日)に強行採決された、社会保障制度改革の道筋を示した「プログラム法案」に関してですが、次のように書いています。

『今回の与党の強行採決は、今後の与党による強行採決連発を予想させるものでもあります。と言うのも、安倍首相は、事あるごとに「決められる政治」を明言し、菅・官房長官も、今回の強行採決について「丁寧な議論が行われた。強行採決ではない」と言い張っているからです。今回の強行採決をマスコミや国民が軽視すると、早速、特定秘密保護法案の強行採決が心配されます。』

 

 この予想が、見事にと言うべきか、当然にと言うべきか、残念ながら当たってしまいました。今国会の焦点である特定秘密保護法案は、参議院の特別委員会で、法案修正で合意をしていた「みんなの党」や「日本維新の会」も採決時に退席する中、他の野党が採決すること自体に強硬に反対しているにもかかわらず、自民・公明両党が強行採決をしてしまいました。

(市民活動広がる)

実は、昨日から今日にかけて、山口県弁護士会では、各地区会(山口、下関、宇部、周南、岩国など)単位で「特定秘密保護法案に反対をする」呼びかけを行い、今日のお昼は、私も、岩国地区会の街頭宣伝活動(街頭演説、チラシ配り)に参加しました。弁護士会の信頼が高いからなのか、本法案の問題が大きいからなのか分かりませんが、いつものチラシ配りと違って、ほとんどの方がチラシを受け取ってくれ、用意したチラシがあっという間に無くなってしまいました。

(60年安保の再現を目論む?)

このような市民的活動が全国的に起こっている中、多くの国民の声を全く聴こうともしないで、強行採決が行われたのです。いみじくも、石原慎太郎「日本維新の会」共同代表が昨日の党首討論で「安倍首相の祖父(岸信介首相)をまねて毅然と対処してほしい」と言ったことに応えるかのように、岸信介首相(当時)が、多くの国民が国会周辺を取り巻く中で60年安保条約改定の国会承認を押し切ったことを、敢えて再現しようとしている、と思えるほどです。

(強行採決への準備)

しかも、今回の強行採決に当たっては、用意周到でした。今日の午後の臨時閣議で、国費5.5兆円、事業規模18.6兆円の経済対策を正式に決め、強行採決のニュースの影を薄めました。更に、NHKに対しては、これまで松本会長の更迭を匂わして政府に批判的な報道をけん制して来ましたが、その効果が現われました。今回の採決について「強行採決」という表現を使わない等、喧嘩両成敗的な腰の引けた報道振りになってしまっています。

(今回のことを忘れないように)

自分たちに対する批判は許さない、批判には耳を傾けない、自分たちがやりたいことをやりたいようにやる、という政治がこれから蔓延することを危惧します。まさに、民主主義の根幹が揺らごうとしているという危機感を国民が持つ必要があります。大事なことは、今回強行採決があったことを忘れないことです。安倍首相たちは、「国民は忘れっぽいから、今回強行採決してもすぐに忘れてくれる」と高をくくっているのでしょうが、そうは行かないことを示さなければなりません。

(了)