最近、安倍政権が掲げる政策に対して異論を唱える言動が、内外のビッグな面々によってなされています。特に、これらの面々には、安倍首相にとってはこれまで「師と仰ぐ人」、「頼りにする米国の高官」、「安倍政権寄りのジャーナリスト」であったりする人達が含まれていますから、今後の行方が注目されます。

(原発問題)

その第1は、昨日、小泉純一郎元首相が、日本記者クラブでの会見で改めて原発問題に言及し、「首相が決断すればできる権力、それが原発ゼロの決断だ。」と安倍首相に原発即時ゼロの方針を打ち出すよう迫ったことです。

この点に関し、私の地元(山口県)では販売されていない東京新聞(中日新聞)でも、11日の細川護煕・元首相とのインタビュー記事として、『細川元首相は、「原発ゼロ」を主張している小泉純一郎元首相と会談したことを明らかにし「目的を達成するまで、主張し続けていきたい」と述べた。国民的な人気のあった首相経験者二人が立場を鮮明にしたことで、脱原発運動に新たな局面がひらける可能性がある。』と報じています。

(靖国神社参拝問題)

その第2は、日本での初めての「2+2(ツープラスツー)」で来日したジョン・ケリー米国務長官とチャック・ヘーゲル国防長官が、10月3日、連れ添って東京・千鳥ヶ淵戦没者墓苑を訪れ、献花、黙祷を捧げたことです。

安倍首相らが、米国のアーリントン墓地で献花することを靖国神社参拝の正当化の理由の一つとして挙げていることに対して、米国の大統領に次ぐ高官らは、訪問・献花の場所として、靖国神社ではなく千鳥ヶ淵墓苑を選んだのです。

米国が靖国神社に対する認識を問題にするようになったのは、10年ほど前からのことだったそうですが、安倍首相の歴史認識や靖国問題に対する怒りは、米国の民主・共和の両党に共通するものなのだそうです。第2次世界大戦の位置づけを見直そうとする安倍首相らの行動を懸念しているのです。

(特定秘密保護法案)

その第3は、田原総一朗、岸井成格、田勢康弘、鳥越俊太郎、大谷昭宏らのジャーナリストが、11日、東京の日本プレスセンターで記者会見して「特定秘密保護法案は廃案」と訴えたことです。「法案が成立すると、取材・報道の自由は著しく制限され、ひいては、国民の知る権利が大きく侵害されることになりかねません。」との声明も出しています。

現在、衆議院の「安全保障に関する特別委員会」で連日法案審議が行われていますが、森雅子・法案担当大臣の答弁は、色々な問題点について右往左往している感じがあります。昨日は、法案審議の状況を衆議院第1委員会室でナマで傍聴しました。野党側の質問の詰めが甘い感じがしましたが、法案の審議が進むにつれて法案の問題点が国民の目にも明らかになってくると思います。

(了)