橋下徹ポピュリズム政治の終焉?

 本日投開票のあった堺市長選挙で、無所属で再選を目指した竹山修身氏(63)(自民党支持、民主党推薦)が「当選確実」となり、「地域政党・大阪維新の会」公認の新人・西林克敏氏(43)を破ったようです。今回の堺市長選の最大の争点は、「日本維新の会」代表の橋下徹氏が従来から訴えてきた「大阪都構想」でしたが、その訴えが拒否されたのです。

橋下氏が「大阪都構想」を打ち出してマスコミによって絶大な人気者に押し上げられていた時、多くの政党や政治家が、こぞって橋下氏にすり寄るような行動に出ていました。「大阪都構想」に関しては、当時、地方自治の本質を踏まえた議論よりも、どうしたら橋下氏の機嫌を取れるかとの観点からの議論が多かったように思います。

しかし、政治学のジェリー・ストカー教授は、2006年英国政治学会賞を受賞した彼の著書の中で、「現代のポピュリズムがもたらす危険は、‥民主政治の実践や我々が住むコミュニティーにつきものの複雑さを理解することを放棄したことから生じる。ポピュリズムはほとんど、非難や単純な解決策をめぐる政治に陥る。」と指摘しています。

橋下氏の「大阪都構想」は、まさに、現代の自治体が抱える諸問題に対し「非難と単純な解決策」を声高に唱えた政策であったと言えると思います。今回の堺市長選挙を一つの契機として、ポピュリズムの政治やその政策を冷静に吟味してみてはどうでしょうか。橋下徹ポピュリズム政治が終焉を迎えるかもしれません。

(了)